EV購入補助、充電拠点拡充などを要件に追加 経産省
経済産業省は電気自動車(EV)を購入した際の補助金支給の要件を2023年度中に改める。EVの充電拠点を拡充し、保守・点検に力を入れているメーカーの車への補助を手厚くする。補助上限額は現行と変えない見通しだ。
30日に開く経産相の諮問機関の産業構造審議会で詳細な制度設計の議論に入る。新たな要件での補助金支給に関しては、政府の23年度補正予算案に計上した1291億円を原資とする。
現在はEVを購入すると、最大で65万円を補助している。非常時に自宅のバッテリー代わりに使えるといった機能を加えた場合、上限額は85万円になる。
政府は35年までにすべての新車販売をEVなどの電動車にする目標をかかげる。22年の新車販売に占めるEVの割合は2%弱にとどまる。海外と比べて充電拠点などのインフラ整備が不十分な点が指摘される。
補助金の支給要件を見直すことで、自動車メーカーによるEV普及のための環境整備を後押しし、導入拡大を加速させる狙いだ。EV製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を抑えるといった取り組みも要件に加えることを検討する。
各国のEV補助金を巡っては、自国で組み立て、北米産の部品割合が高い製品に支援対象を絞るといった施策を米国が導入した。フランスは製造時のCO2排出が少ない車両だけを補助する方針だ。