異次元のバラマキを止めよ 少子化対策、乏しい本気度
編集委員 大林 尚
岸田文雄首相が唐突に異次元の少子化対策を表明したのは1月4日、年頭恒例の伊勢神宮参拝を終えて開いた記者会見であった。新年の大きな挑戦に少子化対策を挙げて「子供ファーストの経済社会をつくり上げ、出生率を反転させねばならぬ」と目標を具体的に話した。
それから間もなく1年になる。10月23日、衆参両院本会議での所信表明演説では出生率反転への断固たる決意は聞かれなかった。異次元対策は打ち上げ花火だったか...
▼児童手当 子育て世代の費用負担軽減のため、中学生以下の子どもを育てる保護者に現金給付する制度。0~2歳には月額1万5000円、3歳から中学生には1万円を支給する。3歳から小学生の第3子以降は1万5000円に増額する。世帯主の年収が960万円以上の世帯は「特例給付」として1人あたり一律5000円に減る。2022年10月からは世帯主の年収が1200万円以上の場合などは特例給付も廃止となり手当がなくなった。
<2022年12月7日掲載>