この記事は会員限定記事です
春秋(11月25日)
[会員限定記事]
「人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ」。大酒飲みだった若山牧水は、あるとき、医者から禁酒を強く命じられてこんな歌を詠んだ。晩年にかけても酒と縁が切れず、大正末年の九州旅行では「一日平均二升五合」を流しこんだと述懐している。
▼旅と酒をこよなく愛した歌人といえば聞こえがいいが、アルコール中毒がずいぶん進んでいたのだろう。昭和の初め、43歳で没。若すぎる死は、生涯にわたる暴飲の代...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り368文字