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[社説]北朝鮮の偵察衛星は新たな脅威に

日米韓3カ国への北朝鮮の脅威が新たな段階に入る恐れがある。北朝鮮は21日夜に軍事偵察衛星を打ち上げ、成功したと公表した。事前に予告した発射期間が始まる前の強行を含め、地域の緊張を高める危険な行為は許されない。

北朝鮮は5月と8月の失敗を経て今月22日午前0時から12月1日午前0時の間に再発射すると日本に通告していた。朝鮮中央通信は偵察衛星「万里鏡1号」を地球の周回軌道に正確に投入したと伝えた。日本政府は衛星打ち上げの成否を含めて分析中とした。

打ち上げたロケットと弾道ミサイルの技術は基本的に同じだ。国連安全保障理事会決議は北朝鮮によるあらゆる弾道ミサイル技術を使った打ち上げを禁じている。

衛星について、北朝鮮は米軍をはじめ日本や韓国内の基地や部隊の動向をリアルタイムで掌握する「目」を持つ意図を明確にしている。衛星を保有すればミサイルの攻撃目標もとらえやすくなり、周辺国の危険が増す。

朝鮮半島周辺を衛星で監視するには高い解像度や通信能力に加え、衛星の数も必要になる。今回だけで実際の脅威がただちに高まるわけではない。一方で北朝鮮は3回の打ち上げを通じて技術力を着実に高めているもようで、開発スピードを侮ってはなるまい。

韓国政府内では北朝鮮がロシアからエンジンなどの技術支援を受けて打ち上げ成功の確率が高まるとみていた。ロシアに大量の砲弾を提供したとも分析した。北朝鮮の軍事力強化やウクライナ危機の長期化につながる懸念がある。

北朝鮮は2021年からの国防5カ年計画で軍事偵察衛星の運用を掲げている。今回の発射後、担当機関は「早い期間に数個の偵察衛星を追加で打ち上げる」との方針を示すなど警戒が必要だ。

日米韓は北朝鮮への抑止力と対処力を高める協力関係の整備が急務である。安全保障や制裁網を強化するための友好国づくりに力を尽くすべきだ。中国との対話再開の機運も生かしてほしい。

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北朝鮮

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。

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