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[社説]ガザ衝突を終わらせる一歩に

悲惨な衝突を終わらせる第一歩にしなければならない。イスラエル政府とパレスチナのイスラム組織ハマスは、人質の一部解放と引き換えに、戦闘を4日間休止することで合意した。

ハマスが10月7日にイスラエルを襲撃して以降、両者の間で成立した初めての合意である。戦闘休止と人質の解放を着実に実行し、完全停戦につなげるきっかけにすべきだ。

イスラエル側によれば、解放されるのは、女性や子どもら少なくとも50人。追加で人質10人を解放するごとに、戦闘休止の期間を1日延長するとしている。

一方、ハマス側は人質解放と引き換えに、イスラエル側に収監されている、女性と未成年者のパレスチナ人150人が解放されるとしている。

戦闘休止の交渉は米国とカタール、エジプトが仲介した。

イスラエル側は1200人が犠牲になった。一方、ガザ地区では激しい空爆と地上侵攻により1万4000人以上が死亡した。その4割が子どもだという。生活インフラが破壊され、食料や燃料、医療物資などの供給も滞るなど深刻な人道危機にある。

4日間とはいえ、この時間を危機に直面する命を救うために有効に使わなければならない。取り残される市民が安全に避難し、エジプト側境界から支援物資を集中的に届ける必要がある。そのためには一時休止の確実な履行に国際社会が目を光らせることが重要だ。

ネタニヤフ首相は「戦闘休止後も戦争は続く」と語った。ガザ北部ではイスラエル軍が突入した病院とは別の病院も攻撃を受けた。多数が逃れた南部へも本格攻撃の構えを見せる。衝突の長期化は戦火を中東全体に広げ、テロを世界に拡散させるリスクを高める。

ハマスが人質50人を解放しても依然、200人近い人々がとらわれたままだ。全員の解放を実現し、ガザの人道危機に終止符を打つためにも、今回の戦闘の一時休止を成功させなければならない。

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イスラエル・ハマス衝突

パレスチナのイスラム組織ハマスが10月7日、ロケット弾や戦闘員の侵入によってイスラエルへの大規模な攻撃を仕掛け、イスラエルが報復を開始しました。最新ニュースと解説記事をまとめました。

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