作家の伊集院静さん死去、73歳 「大人の流儀」
エッセー「大人の流儀」シリーズなどで知られる直木賞作家の伊集院静(いじゅういん・しずか、本名=西山忠来=にしやま・ただき)さんが11月24日、死去した。73歳だった。告別式は近親者で行う。
- 【関連記事】伊集院静さん死去 打席に立ち続けた作家
今年10月初めに肝内胆管がんと診断され、治療のため執筆活動を当面休止すると発表していた。
山口県生まれ。広告代理店勤務を経てテレビCMの企画、人気歌手のコンサートの演出などで活躍した。
1981年に作家デビューし、92年に「受け月」で直木賞を受賞した。94年発表の「機関車先生」(柴田錬三郎賞)は映画化もされた。日本経済新聞で「ミチクサ先生」「琥珀の夢」を連載した。
作詞家として近藤真彦さんの「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」などのヒット曲も手がけた。
84年に結婚した俳優の夏目雅子さんが翌年に白血病で急逝。92年に俳優の篠ひろ子さんと再婚した。
ほかに「ごろごろ」(吉川英治文学賞)、「ノボさん」(司馬遼太郎賞)など。2016年に紫綬褒章を受章した。
妻で俳優の篠ひろ子さん(本名・西山博子さん)の話 自由気ままに生きた人生でした。人が好きで、きっと皆様に会いたかったはずですが、強がりを言って誰にも会わずに逝ってしまった主人のわがままをどうかお許しください。最期まで自分の生き方を貫き通した人生でした。
私たちに寄り添って2人だけの時間を作って下さった皆様、そして応援して下さったファンの皆様に心より御礼を申し上げます。
作家の高樹のぶ子さんの話 同じふるさと(山口県防府市)で、伊集院さんは直木賞、私は芥川賞を受賞するなど縁のあった方。こんなに早く逝ってしまうとは思わず、とても残念だ。一方で最後までベストセラーを出し続け、大きな存在のままぱっと姿を消してしまうのは伊集院さんらしいともいえる。書く立場でも読む立場でも心に響くものを良しとし、自分を信じ抜き、揺るぎない構えを持つ人だった。