岩谷産業、研究施設に燃料電池 液化水素の活用探る
岩谷産業は24日、兵庫県尼崎市の研究開発施設に水素と酸素を化学反応させて電力を生む水素燃料電池を導入したと発表した。燃料電池はパナソニック製で、施設運営の電力に用いることで施設の二酸化炭素(CO2)排出量を4割減らす。隣接する同社の水素ステーション用に貯蔵している液化水素を気化して用いる。
水素関連の研究開発施設「中央研究所」に出力5キロワットの燃料電池を20台設置し、消費電力の4割を賄う。中央研究所では太陽光発電の導入などと合わせ、27年度にCO2排出量をゼロにすることを目指している。
隣接する水素ステーションなどに供給している液化水素を気体にして、燃料電池に用いる。気化する際に発生する冷熱も空調などに用いる予定だ。燃料電池を大規模に利用するには大量の水素が必要で、体積を小さくできる液体の状態で運搬や貯蔵をした水素を気体に戻して使う必要がある。
岩谷産業は水素販売で国内トップ。自社のCO2排出量を減らすと共に、水素事業の拡大に向け液化水素を気化して燃料電池に用いるノウハウなどを蓄積する。