金沢の浅ノ川病院とデロイト系、産学官で効率化モデル
浅ノ川総合病院(金沢市)など5病院を運営する医療法人社団浅ノ川(同)は24日、デロイトトーマツグループと連携し、持続可能な地域医療モデルづくりに取り組むと発表した。計2000床の病院などを実証実験の場所として産学官に開放し、効率化に取り組む。民間病院の経営環境は人手不足などを背景に厳しく、他地域の病院経営の改善にも役立てる。
デロイトトーマツグループが産学官の仲介役となる。実証実験の趣旨に賛同するさまざまな業種の企業などを募り、2024年度から実験を進める。オープンな場でそれぞれの知見やノウハウを生かしてもらう。
特に非臨床領域の効率化に注力する。職員のデータ入力の作業を減らしたり、病院内の物流を改善したりすることを想定する。デジタル化やロボットなどの技術を持つ企業などの参加が予想されるという。
おおむね5年で持続可能な地域医療モデルを構築したい考え。デロイトトーマツグループは金沢で培ったノウハウを、可能なところから他の地域の病院経営の効率化に役立てる。
浅ノ川病院グループは病院のほか、訪問リハビリ・看護ステーション、老健施設なども経営する。小市勝之理事長は「産学官連携を推進しながら、持続可能な地域医療のモデルとして成長したい」と話した。