ソニーCSL、陶芸などの創作支援システム CGで表現
ソニーグループの研究子会社、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は24日、陶芸をはじめとした芸術家の創作を支援するシミュレーション用のシステムを開発したと発表した。芸術家の意向を踏まえ、完成イメージをコンピューターグラフィックス(CG)で表現する。ソニーGの最新技術も活用し、創造性を高めることに役立てる。
システム名は「Tomonami(トモナミ)」。ソニーCSLのアレクシー・アンドレ研究員が陶芸作家の吉田幸央氏と協力して開発した。プロの芸術家向けに提供する。料金などの詳細は非公表としている。
システムでは花瓶や大皿、小物入れなど制作したい作品の形を描画できる。外部の描画システムから取り込める機能があり、色もお気に入りの写真などから取り込める。それらを基に作品の形や色、柄や点の大きさといった要素となる「パラメーター」を自由に操作して完成イメージをCGで確認できる。
パラメーターを芸術家の意向に沿って自由に変更し、自らの好みに合っているか確認する。トモナミから図面データを出力して3Dプリンターなどで直接制作することはできないが、完成イメージを想像しやすくして制作に役立てる。
陶芸以外にも絵画などあらゆるアートに役立てられるという。開発したアンドレ研究員は「生成AI(人工知能)とは異なり、プロセスの途中で芸術家ら人間の考えや意思を反映できる」と話した。