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週末Think!まとめ読み【12/19開催 イベント告知】小泉悠氏らThink!エキスパートが2024年の世界・マーケットを大予測!
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週末Think!まとめ読み
【12/19開催 イベント告知】小泉悠氏らThink!エキスパートが2024年の世界・マーケットを大予測!
expert-iconexpert-icon鈴木亘さん他1名の投稿
鈴木亘学習院大学経済学部 教授

少子化問題は、ややもすれば、結婚した夫婦の出生率が低下する問題とされがちであり、政府の「異次元の少子化対策」も、結婚した夫婦に対する政策がメインである。しかし、実際には結婚した夫婦の出生率(完結出生子ども数)は現在も1.90(2021年、出生動向基本調査)とかなり高い。静止人口を達成するための合計特殊出生率は2.06程度とされるから、1.90との差はわずかである。実は、2.06と現在の合計特殊出生率1.26の間に大きな差が生じる主因は、若い人々が結婚をしないという「未婚化」にある。少子化対策として急がれるのは、むしろ、結婚対策なのである。婚姻率を上げるための政策に焦点を当て、対策すべきである。

竹中治堅政策研究大学院大学 教授

問題が多い実習制度を改革すること自体は評価できる。しかし、政治的には、この制度を含め、外国人労働者受け入れのための様々な制度は自民党の岩盤支持層である中小企業の経営者の要望に応じた政策である。一連の制度のもとで働く人々は最低賃金の対象にはなる。しかし、労働力供給が増えることに変わりはなく、賃金水準全体への下方圧力となる。一方、岸田首相は賃上げを重視する。政府によれば1人あたり実質賃金は過去30年で実に1.05倍しか伸びていない。さらに最近、インフレのためで実質賃金は低下している。外国人労働者受け入れ拡大は賃上げ政策と矛盾する。首相はむしろ最低賃金の引き上げなどに注力すべきである。

鈴木智子一橋大学 教授

世界初のクレジットカードはダイナーズクラブによって発行されていたこともあり、アメックスは1958年に始めてクレジットカードを発行した当初から差別化を意識し、単なる機能的便益(現金の代替品)でなく、情緒的便益(憧れや喜び)の提供に力を入れてきました。プレミアムなポジショニングを確立するため、会員を限定し、プレミアムなブランドイメージを醸成と特別な顧客体験の提供に力を注いできたのです。2000年代に入り、米国ではChaseやCITIなどによる参入もあり、ロイヤルティプログラム付きのクレジットカード市場は激化しました。それでもアメックスが強さを誇っているのは、培ってきたブランド力の賜物だと思います。

大泉一貫宮城大学 名誉教授

卵価が最も高かったのが今年の5月。Mサイズで350円/㎏。6月になると横ばいに転じそれがニュースになった。  とはいえ平年並み(200円/㎏前後)に戻りきる前に、また鳥インフルエンザが流行し、反転するのではないかと心配していた。そこに佐賀で鳥インフル発生のニュースだ。  これから流行期に入るが、海外調達やインフル耐性ヒナの導入など、業界もいくつか対策を講じてきた。今年は少し手慣れた感もあるとは思うが、どうなるかは誰にも分からない。  10月時点の卵価は平均283円/㎏だが、どうなるのか注視したいところだ。

川島真東京大学大学院総合文化研究科 教授

今回の日中外相会談は、日中韓首脳会談に向けての「地ならし」として行われる、三国の外相会合の一環だ。昨今、中国は米日との連携を強める韓国ユン政権に極めて厳しく接しているのに対して、日本に対しては多少対話重視の姿勢を見せるかもしれない。海産物の問題や法人拘束問題など多くの案件があるが、最大の目標はサンフランシスコでの日中首脳会談で最定位された「戦略的互恵関係」の中身を決めていくことだ。この「戦略的互恵関係」は2006年に形成されたものであるが、2008年末から次第にその関係は進展しなくなっていた。日中間の力関係も国際環境も変化した現在、いかなる戦略的互恵関係を築くのか。具体像が問われている。

expert-iconexpert-icon三宅宏実さん他1名の投稿
三宅宏実元重量挙げ選手

朝のモーニングはリッチな気分にさせてくれます。日常に変化が欲しかったり、早起きして一歩いつもと違う時間にするために、私もたまにモーニングに行きます! ニュースをチェックしたり、勉強や読書をしたりしていると、朝の時間はあっという間に感じます。このまま休みだったらな〜と思いながらも。 その日の1日の質が決まるので朝のスタートは大切な時間に感じます。 そのお店の雰囲気や味も大切ですが、店主や店員さんの接客や人柄で美味しさや幸福度も変わるようにも感じます。モーニング文化のますますの充実を私個人的には応援したいです

expert-iconexpert-icon竹内舞子さん他1名の投稿
竹内舞子経済産業研究所 コンサルティングフェロー、CCSIアジア太平洋 CEO

日本の購入店舗で直接免税手続きが取れる制度、ヨーロッパなどのように空港で払い戻しの手続きを取る制度、この双方いずれの場合も、購入した商品が海外に必ず持ち出されるようにするためには、出国時に空港で係官が物品のレシートと荷物を確認するか、商品の引き渡しを空港で行う仕組みにしなければなりません。逆に言えばそれができれば日本の現行制度でも不正は防げます。 「空港対応型」の欧州や韓国などの空港では持ち出しの確認や商品引き渡しに多くのスペースと係員が必要になります。手続きには長い列ができていることも多いです。空港の体制整備にも相当の期間とコストがかかることも踏まえて計画する必要があるでしょう。

山本真義名古屋大学未来材料・システム研究所、名古屋大学大学院工学研究科電気工学専攻 教授

同じような取り組みとしてスポーツ庁、JTB沖縄等が連携して令和2年度スポーツ庁の地域スポーツ資源を活用したインバウンド拡大のためのモデル事業「空手ツーリズム魅力創造事業」に取り組み、コロナ禍においても一定の成果を出しています。その後、民間の取り組みとして沖縄県・読谷村の滞在型リゾート「星のや沖縄」では、リゾートに滞在しながら本格的な空手の稽古を取り入れた体験型のパッケージを展開しています。(上地流の三代目継承者クラスが対応!) この記事の内容にあるように、明らかに近年のインバウンドに対して体験型の付加価値に取り組む潮流が出ています。 新しい日本の魅力発掘に、期待しています。

ロッシェル・カップジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング 社長

記事で指摘されているように、「セールを前倒しする影響」を実感しています。数週間前のアマゾンのプライムデーで既に買い物をしていたため、ブラックフライデーにはそれほど買い物する気になれませんでした。それでも、記事にある通り、「買いだめ」現象は確かに起こっていると思います。例えば、私が愛用している口紅が今日半額だったので、1年分をまとめて購入しました。

高橋徹日本経済新聞社 編集委員・論説委員

フローの投資で日本が米中に見劣りするようになったのは、これまで着々と進めてきた日本の製造業の進出がおおむね一巡し、投資の軸足が新規の拠点開設から既存拠点の能力増強へとシフトしていることが一因です。東南アジアの所得水準に向上に合わせ、新たに進出する企業も小売りや飲食業などが増えている点も見逃せません。今年は日本とASEANの友好協力が始まって50周年の節目を迎えていますが、東南アジアが日本経済の生命線であることは、今後も変わりません。ストックではまだまだリードが大きい日本は、その資産をどう生かしていくべきか。知恵の絞りどころです。

竹中治堅政策研究大学院大学 教授

一連の連載には日本が年金支給年齢引き上げの改革を実施する時期を逸したことを指摘するなど興味深い指摘もある。ただ、改革をする場合の本丸は診療報酬の見直しである。読者がその是非を判断するのに必要なのは現在の診療報酬のもとでの大規模医療機関と小規模クリニック=開業医の経営状況についての情報である。一般に開業医は高収入であると信じられている。日本医師会は経営状況が厳しいと訴え診療報酬の引き上げを求めている。果たした本当なのか。更なる情報を追加の取材で明かしてほしい。

野尻哲史合同会社フィンウェル研究所 代表

多死社会で増加する相続には、マクロの視点で2つの懸念があります。60代が相続人となることが多く、その資産は相変わらず“老後の資産”として抱え込まれがちで消費に繋がりません。また相続の多くは、被相続人が住む地方から相続人が住む都会へと資金の流出を起こします。前者の懸念を抑えるべく、早い時期から贈与を行わせる「相続財産に加算する年数の引き上げ」には意味があると思います。しかし消費につながるという実効性があるかどうか判断は難しいところです。また後者の懸念には贈与の拡大では効果が見込めません。相続人である退職世代が地方都市に移住するといった物理的な施策が求められると思います。

永浜利広第一生命経済研究所 首席エコノミスト

ММTはクラウディングアウトが起きないと考え、政府の予算制約はなく、財政均衡の必要はないと考えますが、海外の主流派は長い目で見れば政府にも予算制約はあると考えているところに違いがあります。 とはいえ、海外の主流派も不景気の時に限ってММT同様に積極的な財政出動を求めています。 しかし、流動性の罠を脱した後のことを考えれば、ММTの実現可能性は低いというのが海外の主流な考え方だと思います。 ちなみに、日本の主流派は常に財政赤字を悪と考える傾向にあります。

鈴木一人東京大学 公共政策大学院 教授

25人というか、イスラエルとハマスの間で合意のあった13人に加え、人質となっていたタイ人の12人を解放したということだろう。イスラエルが主張する240人の人質はおそらくイスラエル国民に限定されていると思われるため、タイ人やネパール人といった外国籍の人質も含めるとどれだけの人質がいるかは正確にはわからない。ただ、ハマスからすれば外国籍の人質はイスラエルに対するレバレッジにはならないので、解放するのがベターという判断なのだろう。今後もイスラエル人の人質と共に外国籍の人質も解放されていくものと思われる。

鈴木亘学習院大学経済学部 教授

高齢者の負担と現役の負担の格差が多くなる理由は、厚生労働省が、「取りやすいところから取る」という保険料の徴収方針をとっていることが大きい。取りやすいところとは、つまりは賃金所得を完全に把握されているサラリーマンたちのことだ。賃金所得が高いことは必ずしも裕福であることを意味しない。例えば、年金のかなりの部分は控除されるので、年金生活者は定義上、所得が低くなるが、資産を多く持つ富裕な高齢者も多い。しかし、保険料は主に賃金収入に課されるから、現役層の負担が増して行く。高齢者にもしっかりと負担してもらう為には、賃金所得だけではなく、資産所得や資産額自体からも保険料を徴収してゆく必要があるのではないか。

expert-iconexpert-icon上野泰也さん他4名の投稿
上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

上場企業で相次ぐ最高益の主因が為替の円安ということなら、基本的に「相場は水物」なので、そうした利益水準切り上がりには持続性が伴いにくいということになる。一方、ビジネスモデル変革に成功して収益体質を強化した結果としての増益ということなら、増益に持続性ありと市場は判断し、その銘柄の買いで反応するだろう。今年は海外投資家による日本株見直し買いに注目が集まり、その主因は何かという点でさまざまな見方が出ている。日本経済・日本企業の「復活」は今度こそ「本物」なのか。現時点では安易に結論が出せないテーマであるわけだが、人口減・少子高齢化という大きなくびきを日本企業が脱することができるなら、明るい結論になる。

山口利昭山口利昭法律事務所 代表弁護士

関東財務局による処分理由を読みました。ビッグモーター社は会社法上の「大会社」であるにもかかわらず「大会社」としてのガバナンスや内部統制上の構築義務違反が多く認められたようで、これが「資格取消」という最も重い処分につながりました。最近の経産省の調査によると、日本国内に上場会社以外の「大会社」はおよそ1万社程度あるそうです。情報開示が義務化されていない「非上場大会社」では、ビッグモーター社のようにガバナンスや内部統制上の大きな不備を放置する可能性があります。不正をできるだけ未然に防止するためにも、非上場の大会社においてもガバナンスや内部統制の様子が外から見えるような法制度上の対策が必要です。

深尾三四郎伊藤忠総研 上席主任研究員

地域経済活性化の実現に向けた官民連携の動きに注目したい。 英政府が発表した戦略的製造セクター向け投資計画では、クリーンエネルギー製造業を支援する「グリーン産業成長アクセラレーター」に9億6千ポンドが割り当てられ、CO2回収・有効活用・貯留や原子力・洋上風力など再エネ供給網の強靭化を目指す。サンダーランド工場は「脱エンジン」が進むだけでなく、英国・地方政府の支援もあって、サプライチェーン含めた「脱炭素」=カーボンニュートラルの達成もグローバル拠点の中で一番速く進むだろう。地方部のレベリングアップ(地域活性化)を目的にした英政府と日産の官民連携は地方創生・再生を課題とする日本にとっても参考になる。

繁田奈歩インフォブリッジグループ 代表

賃金が高いことだけが理由で転職が進むわけでもないし、企業では各々自らの魅力があるはず。逃げられてしまうという発想から考えていたのは使い倒そうという意図が見え隠れするのではないか。これは外国人就労者に限らず、企業が働く人に向けてのビジョンを発信し、就業環境を整えていくという大前提が抜けているように思う。仕組みを整えるのも大事だが企業が変わる必要も大きい。かつここから議論し20年代後半スタートというのはスタートする頃には既に議論が化石化している可能性もあるほど物事のうごきが早くなっていることに気付いているのだろうか。

井出真吾ニッセイ基礎研究所 主席研究員 チーフ株式ストラテジスト

海外投資家は11月だけで1兆円以上を買い越しました(現物・先物合計、第2週まで)。これは今年4月の株価上昇時に次ぐ規模で、米金利低下と円安一服が日本株を魅力的にさせているのでしょう。先行きは予断を許しませんが、円安是正が進み来春の賃上げ規模が期待どおり(もしくは期待以上)であれば、「外国人の日本株買い第2弾」が来るかもしれません。 ただ、できれば新NISA開始に合わせて年末~年始に一旦下がってくれると、初心者も含み益からスタートできる意味では好都合なのですが。。。贅沢は言えませんね。。。

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