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■週末Think!まとめ読み ■【12/19開催 イベント告知】小泉悠氏らThink!エキスパートが2024年の世界・マーケットを大予測!
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■【12/19開催 イベント告知】小泉悠氏らThink!エキスパートが2024年の世界・マーケットを大予測!
問題が多い実習制度を改革すること自体は評価できる。しかし、政治的には、この制度を含め、外国人労働者受け入れのための様々な制度は自民党の岩盤支持層である中小企業の経営者の要望に応じた政策である。一連の制度のもとで働く人々は最低賃金の対象にはなる。しかし、労働力供給が増えることに変わりはなく、賃金水準全体への下方圧力となる。一方、岸田首相は賃上げを重視する。政府によれば1人あたり実質賃金は過去30年で実に1.05倍しか伸びていない。さらに最近、インフレのためで実質賃金は低下している。外国人労働者受け入れ拡大は賃上げ政策と矛盾する。首相はむしろ最低賃金の引き上げなどに注力すべきである。
世界初のクレジットカードはダイナーズクラブによって発行されていたこともあり、アメックスは1958年に始めてクレジットカードを発行した当初から差別化を意識し、単なる機能的便益(現金の代替品)でなく、情緒的便益(憧れや喜び)の提供に力を入れてきました。プレミアムなポジショニングを確立するため、会員を限定し、プレミアムなブランドイメージを醸成と特別な顧客体験の提供に力を注いできたのです。2000年代に入り、米国ではChaseやCITIなどによる参入もあり、ロイヤルティプログラム付きのクレジットカード市場は激化しました。それでもアメックスが強さを誇っているのは、培ってきたブランド力の賜物だと思います。
今回の日中外相会談は、日中韓首脳会談に向けての「地ならし」として行われる、三国の外相会合の一環だ。昨今、中国は米日との連携を強める韓国ユン政権に極めて厳しく接しているのに対して、日本に対しては多少対話重視の姿勢を見せるかもしれない。海産物の問題や法人拘束問題など多くの案件があるが、最大の目標はサンフランシスコでの日中首脳会談で最定位された「戦略的互恵関係」の中身を決めていくことだ。この「戦略的互恵関係」は2006年に形成されたものであるが、2008年末から次第にその関係は進展しなくなっていた。日中間の力関係も国際環境も変化した現在、いかなる戦略的互恵関係を築くのか。具体像が問われている。
日本の購入店舗で直接免税手続きが取れる制度、ヨーロッパなどのように空港で払い戻しの手続きを取る制度、この双方いずれの場合も、購入した商品が海外に必ず持ち出されるようにするためには、出国時に空港で係官が物品のレシートと荷物を確認するか、商品の引き渡しを空港で行う仕組みにしなければなりません。逆に言えばそれができれば日本の現行制度でも不正は防げます。 「空港対応型」の欧州や韓国などの空港では持ち出しの確認や商品引き渡しに多くのスペースと係員が必要になります。手続きには長い列ができていることも多いです。空港の体制整備にも相当の期間とコストがかかることも踏まえて計画する必要があるでしょう。
同じような取り組みとしてスポーツ庁、JTB沖縄等が連携して令和2年度スポーツ庁の地域スポーツ資源を活用したインバウンド拡大のためのモデル事業「空手ツーリズム魅力創造事業」に取り組み、コロナ禍においても一定の成果を出しています。その後、民間の取り組みとして沖縄県・読谷村の滞在型リゾート「星のや沖縄」では、リゾートに滞在しながら本格的な空手の稽古を取り入れた体験型のパッケージを展開しています。(上地流の三代目継承者クラスが対応!) この記事の内容にあるように、明らかに近年のインバウンドに対して体験型の付加価値に取り組む潮流が出ています。 新しい日本の魅力発掘に、期待しています。
多死社会で増加する相続には、マクロの視点で2つの懸念があります。60代が相続人となることが多く、その資産は相変わらず“老後の資産”として抱え込まれがちで消費に繋がりません。また相続の多くは、被相続人が住む地方から相続人が住む都会へと資金の流出を起こします。前者の懸念を抑えるべく、早い時期から贈与を行わせる「相続財産に加算する年数の引き上げ」には意味があると思います。しかし消費につながるという実効性があるかどうか判断は難しいところです。また後者の懸念には贈与の拡大では効果が見込めません。相続人である退職世代が地方都市に移住するといった物理的な施策が求められると思います。
高齢者の負担と現役の負担の格差が多くなる理由は、厚生労働省が、「取りやすいところから取る」という保険料の徴収方針をとっていることが大きい。取りやすいところとは、つまりは賃金所得を完全に把握されているサラリーマンたちのことだ。賃金所得が高いことは必ずしも裕福であることを意味しない。例えば、年金のかなりの部分は控除されるので、年金生活者は定義上、所得が低くなるが、資産を多く持つ富裕な高齢者も多い。しかし、保険料は主に賃金収入に課されるから、現役層の負担が増して行く。高齢者にもしっかりと負担してもらう為には、賃金所得だけではなく、資産所得や資産額自体からも保険料を徴収してゆく必要があるのではないか。
上場企業で相次ぐ最高益の主因が為替の円安ということなら、基本的に「相場は水物」なので、そうした利益水準切り上がりには持続性が伴いにくいということになる。一方、ビジネスモデル変革に成功して収益体質を強化した結果としての増益ということなら、増益に持続性ありと市場は判断し、その銘柄の買いで反応するだろう。今年は海外投資家による日本株見直し買いに注目が集まり、その主因は何かという点でさまざまな見方が出ている。日本経済・日本企業の「復活」は今度こそ「本物」なのか。現時点では安易に結論が出せないテーマであるわけだが、人口減・少子高齢化という大きなくびきを日本企業が脱することができるなら、明るい結論になる。
関東財務局による処分理由を読みました。ビッグモーター社は会社法上の「大会社」であるにもかかわらず「大会社」としてのガバナンスや内部統制上の構築義務違反が多く認められたようで、これが「資格取消」という最も重い処分につながりました。最近の経産省の調査によると、日本国内に上場会社以外の「大会社」はおよそ1万社程度あるそうです。情報開示が義務化されていない「非上場大会社」では、ビッグモーター社のようにガバナンスや内部統制上の大きな不備を放置する可能性があります。不正をできるだけ未然に防止するためにも、非上場の大会社においてもガバナンスや内部統制の様子が外から見えるような法制度上の対策が必要です。
地域経済活性化の実現に向けた官民連携の動きに注目したい。 英政府が発表した戦略的製造セクター向け投資計画では、クリーンエネルギー製造業を支援する「グリーン産業成長アクセラレーター」に9億6千ポンドが割り当てられ、CO2回収・有効活用・貯留や原子力・洋上風力など再エネ供給網の強靭化を目指す。サンダーランド工場は「脱エンジン」が進むだけでなく、英国・地方政府の支援もあって、サプライチェーン含めた「脱炭素」=カーボンニュートラルの達成もグローバル拠点の中で一番速く進むだろう。地方部のレベリングアップ(地域活性化)を目的にした英政府と日産の官民連携は地方創生・再生を課題とする日本にとっても参考になる。
少子化問題は、ややもすれば、結婚した夫婦の出生率が低下する問題とされがちであり、政府の「異次元の少子化対策」も、結婚した夫婦に対する政策がメインである。しかし、実際には結婚した夫婦の出生率(完結出生子ども数)は現在も1.90(2021年、出生動向基本調査)とかなり高い。静止人口を達成するための合計特殊出生率は2.06程度とされるから、1.90との差はわずかである。実は、2.06と現在の合計特殊出生率1.26の間に大きな差が生じる主因は、若い人々が結婚をしないという「未婚化」にある。少子化対策として急がれるのは、むしろ、結婚対策なのである。婚姻率を上げるための政策に焦点を当て、対策すべきである。