三菱重工業は100%水素燃料の大型ガスタービンの検証作業に入る。水素の製造から貯蔵、発電までを一貫した設備で検証する。ガスタービンは燃焼器を交換すれば、燃料を天然ガスから水素に代えられる。利用企業は水素社会の進展を見定めながら柔軟に投資を進められる利点があるといい、2030年に実用化を目指す。
当面は天然ガスを燃料に
100%水素燃料のガスタービンは発電過程で二酸化炭素(CO2)を出さない。ただ...
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三菱重工、水素にらみガスタービン注力 22年シェア首位
ガス火力発電に使う大型タービンの世界市場で2022年に三菱重工業がトップシェアを回復した。18年以来4年ぶりだ。ガスタービンは一部を改修することで燃料を水素に切り替えられる。高いシェアを維持することが脱炭素に向けた移行の基盤になるとみて、同事業の売上高を25年度に8000億円と22年度実績から1割積み増す計画だ。 シーメンス・GEを上回る 米マッコイ・パワー・レポートがまとめた出力ベースの22年
国内初の水素混焼 東北電力、新潟火力で10月から
東北電力はガスタービン発電で水素を燃料の一部に使う実証試験を10月から新潟火力発電所(新潟市)で始めると発表した。大手電力の火力発電所としては国内初。水素やアンモニアの混焼を計画しており、技術的な準備が整った水素混焼から着手する。実施時期は2024年度中としていた当初計画から前倒しした。 新潟火力発電所の5号系列で、主燃料である液化天然ガス(LNG)に体積比で1%の水素を混ぜ合わる。ガスタービン
シンガポールのケッペル、水素対応の火力発電所 同国で初
シンガポールの政府系複合企業、ケッペル・コーポレーションは同国に水素を燃料に使える火力発電所を建設すると発表した。投資額は約750億円。当面は天然ガスを使うが、将来の水素混焼を視野に入れる。設計や建設は三菱重工業と現地のエンジニアリング会社が請け負い、2026年の完成を目指す。 シンガポールの工業地帯、南西部のジュロン島に建設する。体積ベースで30%まで水素を混ぜて燃やせる。シンガポールに水素を