トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)の世界販売が好調だ。2023年4〜9月期(上期)は169万台と前年同期に比べ33%(42万台)増えた。ガソリン車も含む全体の増加分をほぼHVだけで底上げし、宮崎洋一副社長は将来の「年間販売500万台」に言及した。電気自動車(EV)で巻き返す原資としても、HVはより重要になる。HV需要がピークアウトするとみられる30年前後までにEVを独り立ちさせられるか。
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トヨタ利益率、8四半期ぶりテスラ逆転 見せたHVの底力
トヨタ自動車の稼ぐ効率が高まっている。2023年4〜6月期連結決算の売上高純利益率は12.4%に高まり、米テスラ(10.8%)を8四半期ぶりに逆転した。機能向上などを伴う値上げやハイブリッド車(HV)を中心とした生産台数の増加が貢献した。豊富な資金の確保により、HV以外に電気自動車(EV)など全ての動力源を重視する戦略に弾みをつけている。 「商品力に応じた価格設定と、1台1台の車を大切に販売して
トヨタ、米EV生産で「安全運転」 まず3列シートSUVで
トヨタ自動車が、米南部ケンタッキー州の工場で2025年から電気自動車(EV)の生産に乗り出す。最初の車種に選んだのは3列シートを備えた多目的スポーツ車(SUV)だ。なぜ同社の売れ筋の中型SUV「RAV4」やセダン「カムリ」のようなモデルでなく3列SUVなのか、その背景にはトヨタ流の堅実な考え方があった。 トヨタにとってケンタッキー州の工場は世界最大規模で、現在はRAV4やカムリを生産している。既
トヨタ寺師氏のテスラ観 充電データ活用「品質の命」
トヨタ自動車は米テスラに追いつけるのか。トヨタの副社長など技術開発の要職を歴任した寺師茂樹エグゼクティブフェローが、このほど講演でテスラの電気自動車(EV)戦略について率直に語った。テスラは充電インフラやソフトウエア更新などで先行してきた。社内に「寺師研」と呼ばれた有志チームをつくり、次世代EVの開発戦略を検討していたとされる寺師氏の発言から、トヨタが今後取り組むべき課題を読み解く。 寺師茂樹(て