AI編集支援ツールNIKKEI Tailorについて

日経イノベーション・ラボがMinutes向けに開発

NIKKEI Tailorとは

日本経済新聞社の研究開発組織、日経イノベーション・ラボが開発したAI(人工知能)編集支援ツールです。日経電子版の記事を入力すると、Minutes by NIKKEIのフォーマットにあわせて記事を再構成したり、要約を出力したりできます。記事の下書きに活用することで、編集作業の効率化を実現しています。

NIKKEI Tailorの特徴

NIKKEI Tailorは日経が著作権を持つ記事のみを取得するよう設計されています。Webに公開されている一般の情報は参照していません。指示を入力してから出力するまでの主なフローをまとめました。
1.参照元記事の取得
編集者が指定した公開済みの記事を参照する。通信社の配信記事や他媒体の転載記事などが含まれないようフィルターを設け、日経が著作権をもつ記事のみを参照、情報を取得する。
2.記事の再構成、要約
参照元記事から重要なポイントやトピックを抽出し、解説記事の形式になるようLLM(大規模言語モデル)で再構成、要約し、生成テキストを出力する。
3.生成テキストの再編集
生成テキストの内容をLLMがツール内で校正、再編集する。参照元記事から抽出した情報と突き合わせて吟味し、情報の不足や間違い・重複などを指摘、内容を追加・修正して最終結果を生成する。
4.生成テキストと参照元記事の要素比較
編集者がLLMによる表現の言い換えや追加などを確認できるようにする。自然言語処理の手法を用い、生成テキストと参照元記事のテキストを単語単位で比較し可視化する。

編集者の利用方法

生成結果はそのまま利用せず、事実に即しているか、誇張や誤解がないかなどを確認し、修正したうえでコンテンツを作成しています。

なぜ記事作成に生成AIを使うのか

日経イノベーション・ラボではAI領域を中心に様々な研究に取り組んでいます。2019年に日本経済新聞の記事を用いてBERTの言語モデルを開発、21年には同様の手法でRoBERTa、GPT-2、T5といった言語モデルを開発するなど、自然言語処理の分野で多くの実績を残しています。
ChatGPTの登場に端を発し、LLMは現在進行形で進化しています。時を同じくしてMinutesの創刊が決まり、その編集作業にLLMを活用するアイデアが出てきたのは自然なことでした。LLMを安全に使えるよう、環境整備を進める過程で生まれたのがNIKKEI Tailorでした。
NIKKEI TailorはAIの報道利用の考え方に基づいて開発しました。その上で、ニュースの新たな伝え方をめざすMinutesにふさわしいフォーマットを検討し、NIKKEI Tailorをどのように編集作業の補助に使うか、編集者とともに試行錯誤を重ねてツールの改善を進めてきました。
NIKKEI Tailorは「責任ある報道」を守ることを大前提とし、デジタルジャーナリズムの先駆者として編集者が自らAIを活用できる環境を提供しています。編集者が「考え、伝える」ことに集中できるよう、今後も編集者と議論しながら機能を強化していきます。
日経は報道機関としての使命を果たすために、これまでも新技術への投資を積極的に行ってきたイノベーションのDNAがあります。日経イノベーション・ラボでは、今後も研究を重ねながら、新たなツールやサービスの開発を継続していきます。

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