スウェーデンの新興電池メーカー、ノースボルトは蓄電用の新たな電池技術で大きな前進を果たした。グリーンエネルギーへの移行で中国への依存を最小限に抑えられるとしている。
独フォルクスワーゲン(VW)、米資産運用大手ブラックロック、米金融大手ゴールドマン・サックスの出資を受けるノースボルトは、リチウム、コバルト、ニッケルを一切使わないナトリウムイオン電池を開発した。メーカー各社の間ではこうした重要鉱物...
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ノースボルト、欧州電池産業の命運握る北欧企業
北極圏に近いスウェーデン北部、深い松林の中にある低層の灰色の建物は、雪と雲に覆われた地平線という景色に溶け込んでいる。意外な場所だが、欧州の最重要産業プロジェクトの一つの起点がここにある。域内初の自前の車載電池工場だ。 サッカー面70個分のギガファクトリー スウェーデンのスタートアップ、ノースボルトが建設を進める「ギガファクトリー」と呼ばれる巨大な電池工場は、第1期工事でサッカー場70面分の広さ
ノースボルト、電池製造拡大の野心 欧州は米中と競争へ
スウェーデンの電池製造スタートアップであるノースボルトにとって、人材確保は新たな頭痛の種だ。同社は北部シェレフテオで1600人の従業員を抱えるが、さらに2400人が必要になる。ピーター・カールソン最高経営責任者(CEO)は「労働力がおそらく最大の制約要因だ。これまでならエネルギーと答えていたところだが、エネルギーは解決できる」と話し、地元の公営電力会社との契約に言及した。 ノースボルトの工場だけ
中国、電池工場建設ラッシュ 世界で供給過剰の懸念
中国で電池工場が次々と建設され、生産能力は電気自動車(EV)や送電網内に電力を備蓄するグリッドストレージ向けの国内需要をはるかに超えている。国からの多額の補助金と野放しの銀行融資が中国電池メーカーの世界的な事業拡大を支えていることが浮き彫りになった。 英調査会社CRUによると、2023年の中国の電池工場の生産能力は1500ギガワット時に達する見込みだ。EV2200万台分に相当し、636ギガワット