日本でMBO加速、上場企業へ圧力強く 低金利も後押し
日本でMBO(経営陣が参加する買収)が急速に広がり、過去10年余りで最速のペースに達している。株主アクティビズムやガバナンス(企業統治)強化を求める圧力が強まる一方、低金利で資金調達する道がまだ開かれていることが、株式市場からの退出を招いている。 11月に入り、教育や基礎素材、カラオケ業界の企業がMBOを立て続けに発表した。国内外のプライベートエクイティ(PE=未公開株)投資会社の間では、MBO
任天堂、映画増で売上高もパワーアップ(Lex)
企業が中核のビジネスモデルから外れてしまうことは災いを招く恐れがある。だが任天堂にとっては、こうした大胆な構想がハッピーエンドをもたらすはずだ。 任天堂は8日、人気ゲーム「ゼルダの伝説」の実写映画を制作すると発表した。同社は毎年、映画を1本公開する計画だ。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントと共同出資で、任天堂が半分以上を出資し、ソニー側が世界配給を担う。 任天堂の株価は東京市場で6%超上昇し
トヨタ、EV生産拡大へテスラの製造技術にも学ぶ
電気自動車(EV)の新時代に米テスラに追いつこうとするトヨタ自動車の戦いが、自動車製造業のなかでも特に昔ながらの分野で繰り広げられている。組み立てラインがその現場だ。 トヨタは全固体電池で技術的ブレークスルーを遂げており、テスラと競う能力について投資家を説得しようとするなか、10月31日には(米ノースカロライナ州で建設中の車載電池工場へ追加投資すると発表し)米国のEV市場に対する約80億ドル(約
全固体電池 日本勢、中国のEV市場支配逆転の切り札か
全固体電池が導入されれば、世界の自動車業界の未来に大きな影響を及ぼす可能性がある。 現時点で自動車業界の次の段階の覇者となる可能性があるのは、電池技術の面でも、製造の面でもトップを走る中国だ。国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年に世界で生産された電池の75%超を中国が占めた。 中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は他の追随を許さない世界最大の車載電池メーカーであり、37%の市場シェア
全固体電池、自動車産業を変える道程
1992年、ソニーは携帯型電化製品に革命をもたらした。長年にわたって取り組んだリチウムイオン電池研究の成果を活用して携帯電話や小型ビデオカメラを商品化し、世界の消費者の生活を変えた。 化石燃料への依存度を下げるために世界のエネルギー・輸送システムを改革するという非常に大きな課題に取り組むうえで、電池は重要な役割を果たす。リチウムイオン電池の製造コストは大幅に低下し近年の電気自動車(EV)人気につ
トヨタ、全固体電池量産にメド 航続距離2倍で急速充電
トヨタ自動車は次世代の電気自動車(EV)向け電池の本命とされる全固体電池を現行電池とほぼ同じ数量製造できるメドが立ったと明らかにした。世界のメーカーが全固体電池の商用化争いでしのぎを削るなかで、重要な成果となる。 新車販売台数で世界首位のトヨタは先日、電池材料の「ブレークスルー」について、技術の基本的なめどがついたと公表した。今回の技術革新により、2027〜28年には全固体電池を量産できるように
日本の高齢化、投資家の「買い」材料に レオ・ルイス
高齢化が進む日本は配管に問題を抱えている。国内の水道管の総延長は74万キロメートルにのぼり、その5分の1強は法定耐用年数(40年)を超えている。 そして水道管が腐敗して水漏れする一方で、水道技術者は年老いてガタがきている。人口が減少するなか、日本の水道業界の雇用者数はピーク時を36%下回り、作業員の平均年齢は上昇している。現在の作業速度で日本全国の水道管を交換するには150年かかり、その間にも事
百貨店ストは「日本買い」に影響するか レオ・ルイス
日本の百貨店の従業員は顧客サービスの具現化という点ではかなり優秀だ。 彼らは清潔で礼儀正しく、一日中原子力エンジンに突き動かされているかのごとく顧客に気配りし続ける。そのうえ専門知識を備え、好感度が高く、かつては都市部における小売業を特徴付ける存在だった。一流の販売員を備えた百貨店は高級な装飾品を一般大衆に普及させ、アジア各国の中産階級にぜいたく品を売り込む先駆者でもあった。 海外投資家への抵抗
原発処理水放出、日本の水産物輸出を脅かす(Lex)
日本の輸出品といえば、まず自動車やゲーム機などを思い浮かべるかもしれない。ほかにもホタテやサバ、マグロ、ナマコといった水産物の輸出が日本経済に貢献している。最近では特に北海道産ホタテの世界的需要が高いのだが、その水産物の輸出が今、危機に直面している。 日本は24日、福島第1原子力発電所の敷地内にたまる処理水の海洋放出を開始した。2011年3月、東日本大震災の津波により原発事故が発生して以来、オリ
サービスの質低下も不可避な日本 レオ・ルイス
先週の日曜の朝、横浜近くの大きなレストランは朝食を取ろうとする多くの地元の人々にとってスローフードの魅力を味わわざるを得ないような状況だった。注文した食べ物はなかなかテーブルに運ばれてこない。パンケーキを待つこと22分。ようやく運ばれてきたときは、心の底からありがたい気持ちが湧き上がってきた。 イタリアのジェノバやギリシャのサントリーニ島で過ごす時間は素晴らしいが、注文した食事がなかなか来ないの