OpenAI、アルトマン氏は誇らかに帰還するか(Lex)
テック企業の創業者にまつわる神話をひもとくと、主人公は爪はじきにされて旅に出るが、最後には誇らかに帰還している。米新興オープンAIの共同創業者、サム・アルトマン氏は週末の間にこの物語をほぼ完結させた。同氏を解任したオープンAIは批判にさらされる立場に追い込まれた。 オープンAIの取締役会は17日、最高経営責任者(CEO)だったアルトマン氏をもはや信用できないと判断したと発表した。容赦のない声明だ
チョコレート、原料価格高騰でメーカー苦境に(Lex)
チョコレートには気分を高揚させる独特の効果がある。このため、消費者は昔から価格の上昇を容認してきた。だが今年は違う。チョコレートを愛する人々は、コスト上昇に甘んずるのではなく、むしろ財布のひもを締めている。 カカオ豆価格とスイスのチョコレート世界大手バリーカレボーの売上高との関係を見れば、1次産品の価格が需要に与える影響がわかる。以前のトレンドラインは比較的平たんだったが、ここ2四半期のデータを
自動運転車のGMクルーズ、事業確立は不透明(Lex)
自動運転車は数百万マイルの走行距離を記録している。米テスラ、同アルファベット、同ゼネラル・モーターズ(GM)、同ウーバーテクノロジーズ、中国のネット検索大手の百度(バイドゥ)、米フォード・モーターなどの企業がこの技術に合計で数十億ドルを投資している。安全性の実績は素晴らしい。しかし、人目を引く事故が1件でも起きれば、乗客や規制当局をおびえさせるのに十分だ。 GM傘下のGMクルーズは14日、サンフ
英商業不動産の価格下落、底入れの兆し(Lex)
英国の商業用不動産業界の痛みは薄れつつある。これが保守的な経営で知られる英不動産投資信託(REIT)、ブリティッシュ・ランドからのメッセージだ。サイモン・カーター最高経営責任者(CEO)はもう一歩踏み込み、不況サイクルが転換点に達したことを示唆している。 その証拠に、ブリティッシュ・ランドは米メタに貸し出していたロンドンのリージェンツ・パーク近くにあるオフィスに新たな入居者を探すことに決めた。メ
企業内託児サービス、女性従業員確保の切り札に(Lex)
会計士から調理師、教師、トラック運転手に至るまで、米国の様々な業界では人手不足が深刻で、必要な人材の確保に苦労している。失業率は3.9%と約50年ぶりの低水準にある。 米物流大手のUPSは労働者を引き付けようと、ライバル企業よりも一歩先を行く取り組みに乗り出した。昨年、カリフォルニア北部の拠点で緊急託児サービスの提供を始めたのだ。同社は現在、同プログラムを米国内の他の施設にも拡大しようと計画して
任天堂、映画増で売上高もパワーアップ(Lex)
企業が中核のビジネスモデルから外れてしまうことは災いを招く恐れがある。だが任天堂にとっては、こうした大胆な構想がハッピーエンドをもたらすはずだ。 任天堂は8日、人気ゲーム「ゼルダの伝説」の実写映画を制作すると発表した。同社は毎年、映画を1本公開する計画だ。ソニー・ピクチャーズエンタテインメントと共同出資で、任天堂が半分以上を出資し、ソニー側が世界配給を担う。 任天堂の株価は東京市場で6%超上昇し
マースク、船舶の供給過剰で大幅減益(Lex)
逆風、横風、多くの逆波。世界の海運業界はコンテナ船運賃の下落、消費者需要の低迷、船腹過剰と戦っている。 コンテナ海運世界最大手のAPモラー・マースク(デンマーク)が3日に発表した2023年7〜9月期の決算は、昨年に比べて大幅な減収減益だった。海運市場が混乱する中、マースクのような企業には困難な事態に備え、コストを削減し、キャッシュを温存する以外にほとんど選択肢はない。来年予定されている自社株買い
米マクドナルド、巧みな価格戦略で好調維持(Lex)
米国の消費者は、経済的なパラドックス(逆説)だ。金利は22年ぶりの高水準にあり、インフレ率は高止まりしている。新型コロナウイルスに関連した財政支援などで積み上がった個人貯蓄も枯渇しつつある。それでも消費者は気ままに支出を続け、7〜9月期の経済成長率を驚異的なペースに押し上げた。 消費者、値上げを気にせずに購入 堅調な個人消費は、米マクドナルドが10月30日に発表した決算でも明らかだ。世界最大のフ
米ハーシー、肥満治療薬の需要拡大で株下落(Lex)
米国のスナック菓子メーカーが投資家を満足させようとしたら、売上高を増やすだけでは不十分だ。肥満症治療薬の需要の高まりが将来の売上高を侵食しないと納得のいく説明をする必要がある。 これは容易ではない。米チョコレート大手のハーシーに聞いてみればわかる。チョコレートバーやリース・ピーナツバターカップなどが代表的製品の同社は、10月27日に発表した7〜9月期の決算で再び大幅な増収増益を達成した。売上高は
GE、CEO直轄の航空機エンジン事業が好調(Lex)
米ゼネラル・エレクトリック(GE)は2021年に会社を3分割する計画を発表した。ローレンス・カルプ最高経営責任者(CEO)が分割後にトップを兼務することにしたのは、ヘルスケアやエネルギー事業ではなく、航空機エンジン事業だった。 偶然か、先見の明か。いずれにせよ、カルプ氏は勝者を選んだ。空の旅の回復が航空機エンジン事業の売上高を押し上げた。民間および軍用機向けエンジンの製造とサービスを行う同事業は