バングラ縫製業界、最低賃金上げに不満 抗議で操業停止
バングラデシュの縫製業界団体は西側の大手衣料ブランドが同国製の縫製品に対し「倫理的な」対価を支払っていないと批判した。世界2位の縫製品輸出国であるバングラデシュでは、最低賃金の引き上げ幅をめぐる抗議運動から工場の操業停止が相次いでいる。 バングラ政府は7日、縫製工の月額最低賃金を2018年に設定された8000タカ(約1万1000円)から1万2500タカに引き上げると発表した。 これに対し一部の労
小口貨物、米国に大問題もたらす ラナ・フォルーハー
米国や中国を含む21カ国・地域が参加して17日まで米西部サンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では通商関係から通貨、債務問題まで、あらゆる問題について議論になるとみられる。さらに意外な問題も取り上げられる見通しだ。 それは合成麻薬フェンタニルで、米国では毒性の高いこの麻薬との関連により、1年で約7万人が死亡している。だが、フェンタニルは同時に、脱グローバル化に向
中国EV、供給過剰で業界再編は不可避 輸出も不透明
上海の電気自動車(EV)スタートアップ、愛馳汽車(AIWAYS)が2017年に創業した際、未来は明るく輝いていた。自動車世界大手のスウェーデンのボルボ・グループや国営自動車企業の元幹部が率いるこの会社は、中国ネット大手の騰訊控股(テンセント)、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)、車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)など、そうそうたる大手企業が出資していた。 しかし創業から6年た
米自動車解体業者、EV廃車の波に身構える
自動車産業の電化から影響を受けるのは労働者や企業だけではない。自動車の解体に携わる人や企業にも波紋を広げる。 自動車サルベージ(解体・処理)業界は何十年もの間、ガソリン車を処理し、スペア部品や金属スクラップとして再販するために車両からカムシャフトやホイールキャップといった部品を回収してきた。電気自動車(EV)の時代になり、業界は今、近い将来に予想されるバッテリー搭載車の廃車の波への対応策を検討し
米中分断、供給網は「再配分」へ ジリアン・テット
世界は今、紛争による恐ろしい人的損失と向き合っている。だが、中東とウクライナから地獄のようなニュースの見出しが続々出てくるなか、エコノミストはこの地政学的な分裂の経済的コストも算出しようとしている。 ブロック化を予測 国際通貨基金(IMF)を例にとろう。年次総会が始まると、IMFは債務と経済成長、インフレの将来の軌道についての恒例の分析を盛り込んだ最新の世界経済見通し(WEO)を公表した。今年の
資源大手グレンコア、トルコ経由でロシア産銅を輸送
スイスの資源大手グレンコアは7月、何千トンものロシア産銅をトルコ経由でイタリアに輸送した。第三国経由の取引により、欧州がどの程度ロシア産資源に依存しているのか、実態把握が難しくなっている。 フィナンシャル・タイムズ(FT)が確認した関税書類や写真によると、ロンドン証券取引所に上場し石油・金属取引を手がける同社は、ロシアのウラル採鉱冶金会社(UMMC)で製造された銅板を少なくとも5000トン購入し
東欧3カ国のウクライナ産穀物禁輸、EUに亀裂
ポーランド、ハンガリー、スロバキアの3国がウクライナ産穀物の一方的禁輸を決めたことを受け、ドイツが批判を強めている。3カ国は欧州連合(EU)の政策のうちで自国に都合の良い部分だけを適用し、ウクライナよりも自国の利益を優先していると非難している。 ドイツのエズデミル食料・農業相が3カ国を批判する発言をしたことで、ウクライナ産穀物を巡る対立の影響の大きさが浮き彫りになった。欧州委員会のEU通商政策に
トルコ、G20の「経済回廊」に反発 代替策を提起
トルコは周辺の友好国との間で、今月の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で合意した「インド・中東・欧州経済回廊」の代替策について「集中協議」を実施している。トルコはアジアから欧州への物流で担ってきた歴史的な役割を一段と高めることを狙っている。 トルコ政府は、インドからアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエルを通って欧州市場へと輸送するG20の経済回廊に抵抗している。G
空洞化するドイツ製造業 労働力不足や高コストが重荷に
ヘラーはドイツ南西部の拠点で130年近く、エンジンの要であるクランクシャフトを加工する精密な機械を生産している。だが、同社のクラウス・ウィンクラー会長は多くの中規模メーカーと同様、ドイツの製造業の競争力に疑問を持ち始めている。 ドイツは以前から税率や課徴金が欧州でも高い。ヘラーのような企業はそれに加えて、エネルギー価格の高騰に直面している。さらに、同国の労働時間は、経済協力開発機構(OECD)加
アフリカのクーデター、経済面の影響は軽微か(Lex)
アフリカの文民指導者にとって今は良い時期とはいえない。アフリカ中部ガボンの軍事クーデターは「既視感」があり、同大陸における3年で8回目の政変だ。西部ニジェールでも7月に起きたばかりだ。投資家は資源の豊富なアフリカを不安視している。だが、政治の不安定さが経済の混乱につながるとは限らない。 企業が警戒するのも無理はない。クーデターが発生した国はいずれも重要な天然資源の輸出国だ。ニジェールはウランの主