「中国の台頭」が反転 世界に占めるGDP割合は低下
中国の経済大国としての台頭は歴史的な転機を迎えている。過去半世紀に及んだ壮大な物語は幕を閉じつつあるのかもしれない。 中国は1960〜70年代の毛沢東時代に低迷したが、80年代に対外開放路線に転じ、その後の数十年で飛躍的な成長を遂げた。世界経済に占める中国の国内総生産(GDP)割合は90年の2%未満から2021年には18.4%へと10倍近くに上昇した。これほど急速に台頭した国はそれまでなかった。
中国最大手銀行米法人にサイバー攻撃、米国債取引が混乱
フィナンシャル・タイムズ(FT)は9日、中国の最大手銀行である中国工商銀行(ICBC)の米国法人がランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃の標的となり、25兆ドル規模の米国債市場での取引に混乱が生じたと報じた。 ウォールストリートのトレーダーやブローカーたちは、ICBCが受けたサイバー攻撃からの影響を最小限に食い止めようと奔走している。 この攻撃は、世界の金融市場のなかでも最大規模で最も流動性
上海の貿易見本市、対中関係悪化でも欧米企業殺到
米国の大豆輸出を売り込むブースからほんの数メートルの場所に立ち、米国のニコラス・バーンズ駐中国大使は、世界最大の貿易見本市のひとつである中国国際輸入博覧会(CIIE)に米国企業が多数参加していることを熱く語った。 「今年は米国の参加・出展企業の数が最大だ。 他のどの国よりも多い」と、上海で今週開催された総合見本市でバーンズ氏は熱心に耳を傾ける記者団に語った。 バーンズ氏はさらに、米国代表団が「米
先端技術の米中対立、中国アントに復活の好機(Lex)
旧敵でも自分を助けてくれるかもしれないと思えばいい人に見えてくる。中国政府は電子商取引(EC)大手アリババ集団傘下の金融会社アント・グループを異端者として扱うのをやめるかもしれない。その証拠に、政府はアントが開発した生成AI(人工知能)製品の一般公開を承認した。 2020年にアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が中国政府を批判したと受け取られる発言をしたことから、アントの不遇が始まった。今や
ファーウェイの新型スマホ、米アップルとの競争激化
中国の若者の間で米アップルのiPhoneがステータスシンボルとなっている。アップルが中国でiPhoneの売り上げを伸ばしているのはこれが原動力だ。 この傾向に懸念を募らせる中国政府にとって、国内の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が8月後半に発表したスマートフォンの最新主力機種「Mate60Pro」は願ってもない打開策になると思われた。だが、ファーウェイがアップルに対抗しようと新技術を投入す
中国、金融部門の中央統制を強化 指導部の不満映す
注目された中国の金融政策会議は、金融業界の全体的なガバナンス(企業統治)の弱さと深く根を張ったリスクに警鐘を鳴らし、61兆ドル(約9200兆円)規模の金融部門に対する中国共産党の中央統制をさらに強める方針を示した。 5年に1度の中央金融工作会議は、習近平(シー・ジンピン)党総書記(国家主席)が議長を務め、2日間の日程で開かれた。新型コロナウイルス禍後の経済回復が勢いを欠き、地政学的な不確実性が高
李克強氏への追悼、習政権の政治的難題に
何百人もの弔問客が中国の李克強(リー・クォーチャン)前首相が幼少期を過ごしたとされる家に集まり、多くの人が「人民の首相」とみなした改革派の政治家に敬意を表明している。これは習近平(シー・ジンピン)国家主席にとって政治的な難題となる可能性がある。 27日に68歳で急逝した前首相を悼む声は、他の都市や中国のソーシャルメディア上でも同じように聞かれ、多くの人々が、李氏の地に足の着いたスタイルと尊大な同
中国でテック企業のIPO急減 基準厳格化でハードル高く
中国で上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」への上場を断念した企業の数が過去最多に達した。技術の自国開発を進める中国政府の取り組みに貢献できる国内優良企業を選別するため、規制当局が新規株式公開(IPO)のハードルを引き上げたためだ。 公的機関の情報によると、2023年に入ってからこれまでに126社が科創板へのIPO申請を撤回または中断した。それまでの4年間の合計を上回る数だ。 銀行関
香港、住宅デベロッパーの「黄金時代」終了
香港の大手不動産グループ、華懋集団(チャイナケム・グループ)の蔡宏興(ドナルド・チョイ)最高経営責任者(CEO)は、香港の住宅デベロッパーの「黄金期」が終焉(しゅうえん)を迎えたと明言した。香港政府は住宅供給の拡大を目指し、住宅市場の統制にますます積極的に乗り出すようになっている。 チャイナケムは非上場の大手不動産開発会社で、香港での新築マンション売り上げで上位に名を連ねる。蔡氏は「香港の不動産
不動産危機を解決できない中国政府 流動性不安消えず
中国の不動産最大手、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)は10月18日に猶予期限を迎えた海外債務の利払いができず、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高まっている。深刻な債務危機にある中国の巨大な不動産市場は再び重大な局面を迎えようとしている。 2年前、不動産大手の中国恒大集団がデフォルトに陥り、同国における不動産不況の深刻さが表面化した。負債額は3400億ドル(約51兆円)と