「アンモニア混焼」で火力発電を脱炭素 日韓で供給網
アンモニア混焼は、火力発電の燃料の一部をアンモニアに置き換える手法だ。アンモニア(NH₃)は炭素を含まないため、燃焼時に二酸化炭素(CO₂)を排出しない。火力発電は日本国内のCO₂総排出量の約4割を占める。資源エネルギー庁は国内全ての石炭火力発電でアンモニアを20%混焼させることで約4000万トン、50%混焼で約1億トンのCO₂を削減できると試算する。2050年にカーボンニュートラルを掲げる日本
先端半導体の実現へ「チップレット」 日本企業に好機
半導体の微細化による性能向上に陰りが見える中で、それに代わる技術として注目されている技術が「チップレット」だ。正確にいえば、チップレットは機能を分割した小さなチップそのものを指す。製造プロセスの世代や機能が異なるチップレットをブロックのように組み合わせて、あたかも1つのチップのように扱えるようにする技術が今後の先端半導体で重要になってくる。 近年、製造プロセスの微細化は、技術的な障壁が高くなって
欧州電池規制で話題のCatena-X 日本は連係基盤策定へ
「Catena-X(カテナエックス)」とは、欧州の自動車業界向けデータを共有するための取り組みだ。自動車メーカーや自動車部品メーカーがサプライチェーン全体にわたってデータを共有するための標準規格を策定したり、データ共有のための基盤を提供したりしている。本拠地をドイツに置き、自動車メーカーや自動車部品メーカー、IT企業などが参加している。2021年3月に発足した。 日本で今、Catena-Xが話題
どこでも通信可能な「スターリンク」 新衛星で高速化
Starlink(スターリンク)は、米SpaceX(スペースX)が構築した、人工衛星による通信網だ。同社が高度数百〜千数百kmの地球低軌道に打ち上げた多数の小型通信衛星群(コンステレーション)によって、地球上のどこへでもブロードバンドのインターネットアクセス環境を提供する。スペースXを設立したのは、米Tesla(テスラ)最高経営責任者(CEO)でもあるイーロン・マスク氏。同氏は、EVのみならず宇
生成AI活用例も登場 クラウド情報守る「CSPM」が進化
クラウド・セキュリティー・ポスチャー・マネジメント(Cloud Security Posture Management、CSPM)は、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の設定をチェックし、管理する仕組みである。また、同様にSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)の設定を管理する仕組みとしてSSPM(SaaS Securit
再エネ自家発電を促進 RE100改定で「追加性」重視へ
RE100は、企業が事業活動で消費する電力を再生可能エネルギー(再エネ、Renewable Energy)で100%賄うべく活動する国際的なイニシアチブ(企業連合)である。温暖化ガス(GHG)排出削減に先行して取り組む理念と目標を掲げ、実践する企業が参加している。2014年に設立され、英ロンドンに本部を置く非営利団体「The Climate Group」が同じく非営利団体のCDP(以前の呼称はC
太陽光発電や蓄電で自給自足 脱炭素へオフグリッド建築
オフグリッド建築とは、送電網(グリッド)に頼らず電力を自給自足できる建築。広義には、電力に限らず、ガスや上下水道といった既存インフラから独立して資源を自給できる建築を指すこともある。エネルギー価格や資源価格の高騰を背景に、スタートアップ企業が参入し、開発競争が加速。住宅の他、宿泊施設などでの導入事例も出て来た。 その一例が、スタートアップ企業のARTH(アース、東京・中央)が開発したオフグリッド
改正議論が始まったNTT法 研究成果の公開義務も争点
NTT法とは、1985年に民営化されたNTTの役割や責務を定め、事業運営を規律するための法律である。例えば、NTTの取締役人事や年度ごとの事業計画は総務大臣の認可を得る必要があると定めている。自民党が2023年6月、NTTを完全民営化する選択肢も含めて、NTT法のあり方を検討するよう政府に求める提言を出したことから、法改正の議論が注目されるようになった。 政府が3分の1以上を出資し、外資は3分の
高効率な水電解技術「SOEC」 日本勢は量産規模に課題
SOEC(固体酸化物形電解セル、Solid Oxide Electrolysis Cell)は、水を電気分解(水電解)して水素を得る技術の1つである。再生可能エネルギー由来の電力を使えば、二酸化炭素(CO₂)フリーの「グリーン水素」が得られる。いくつかある水電解技術の中で、エネルギー効率、すなわち投入した電力量に対して得られる水素のエネルギーの比が最も高い。 SOECは、水素などから電気をつくる
3Dアバター形式「VRM」が進化 メタバースで需要拡大
VRMとは、VR(仮想現実)向けの3D(3次元)アバターのファイル形式だ。VRMに対応したアプリケーションであれば、サービスを横断して同一のアバターを利用できる。 動画投稿サイト「ニコニコ動画」などを手掛けるドワンゴが、最初にVRMの仕様を公開したのは2018年4月のことだ。その後2019年4月に、ドワンゴに加えNTTドコモ(その後メタバース事業をNTTコノキューに分社化)やクラスター(東京・品