電通大、Si基板にInAsナノワイヤ作製 量子デバイスに
電気通信大学大学院の研究グループは、シリコン(Si)基板上にIII-V族半導体であるヒ化インジウム(InAs)の量子ナノワイヤを作製することに成功した。従来よりも10倍以上の高密度、かつ細線直径の標準偏差が10%以下の高均一化を実現した。量子ナノワイヤ内に量子ドット構造を内蔵したデバイスなどへの展開が期待される。 本研究では、分子線エピタキシー(MBE)法により、Si基板表面の酸化膜にガリウム(
「核融合研究に量子」「耐量子暗号の白書」 量子動向
量子に関する注目動向をダイジェスト形式でお届けします。 NICTが高性能・高生産性の光子検出器、量子通信や量子計算に 情報通信研究機構(NICT)は、ストリップ幅が従来品の200倍以上と広い超電導ワイドストリップ光子検出器を開発した。世界初の試みだという。従来のナノストリップ型と同等の高検出効率を維持しながら、高生産性、偏光無依存を実現した。量子情報通信や量子コンピューターなどの早期社会実装を後押
産総研など、超電導量子ビットを高速初期化 35%短縮
産業技術総合研究所(産総研)などの研究グループは、超電導量子ビットを高い忠実度で高速に初期化する新しい手法を開発した。超電導・常電導接合を用いた光子吸収技術により、従来手法を用いた量子ビット初期化技術に比べて約65%の時間で実現した。量子コンピューターの性能向上や実用化に活用が期待できる。 東京理科大学と共同で研究した。本研究では、超電導・常電導接合と超電導量子ビットを「超電導共振器」を介して接
「自動運転や6Gに応用」「MRI高解像度化」 量子動向
量子に関する注目動向をダイジェスト形式でお届けします。 NTTと東京電機大が量子アニーリングで電波品質推定、自動運転や6Gに応用へ NTTと東京電機大学は、高速・高精度な電波伝搬シミュレーションのアルゴリズムを開発し、その有効性を実際の量子アニーリングマシン上で実証した。世界初の試みだという。この技術により、ユーザーに最適な無線通信品質をリアルタイムで提供できるようになる。柔軟な電波環境制御や、自
「Yb量子ビット制御」「光量子チップ開発へ」 量子動向
量子に関する注目動向をダイジェスト形式でお届けします。 神戸大と東北大が反強磁性的物質を発見、巨大な異常ホール効果 神戸大学と東北大学の研究グループは、反強磁性的物質NbMnPが巨大な異常ホール効果を示すことを発見した。新しい機能性材料の開発や、反強磁性体を用いた磁気デバイスの開発につながる発見になるとしている。 強磁性体が示す機能の1つである異常ホール効果が、反強磁性的物質であるNbMnPでも生
「誤りに強い相関」「225光子の計算機」 量子注目動向
量子に関する注目動向をダイジェスト形式でお届けします。 理研と東工大が誤り耐性獲得で前進、シリコン量子ビット間の誤りに強い相関 理化学研究所と東京工業大学は、シリコン量子ビット間で生じる誤りについて、強い相関を観測した。今後のシリコン量子ビットの誤り耐性獲得や、それを踏まえた誤り耐性型汎用量子コンピューターの設計と性能向上に大きな影響を与える成果が得られたとしている。 シリコン量子ビット誤りをもた
広大、イジングモデルサイズを抑える手法 処理高速化
広島大学などの研究グループは、量子アニーラーで順列型組み合わせ最適化問題を解く場合に用いられる順列生成イジングモデルのサイズと要求分解能を大幅に削減する設計手法「dual-matrix domain-wall法」を開発した。n要素の順列生成を行うイジングモデルのサイズと要求分解能を、それぞれ(6n²-8n)と2に削減した。従来手法のone-hot法ではそれぞれ(n³-n²)、(2n-4)だった。
東大、磁性体のスピンでニューラルネット AI処理向け
東京大学大学院の研究グループは、物理的なシステムを人工ニューラルネットワーク(NN)として用いる物理リザバーコンピューティングにおいて、熱的なノイズに強い超大規模並列計算を実現可能にする動作原理を発見した。磁性体を用いた物理リザバーには、電子の持つスピンのダイナミクスを通じて入力情報が入力周波数成分に保持されていることを見いだし、熱的なノイズに強い大規模な時空間並列化を実現した。超低消費電力なリ
富士通、量子シミュレーター事業化へ 「顧客と改善」
富士通執行役員で最高技術責任者(CTO)を務めるVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏は、AI(人工知能)などの先端技術を業績に結びつけることを重視する。同氏に、社会の変化を想定した長期的な研究開発の考え方などを聞いた。 研究開発と並行して事業化目指す ――先端技術の事業化はどう判断していますか。 AIやプロセッサー半導体といった技術の変化は非常に早いので、ときにはすぐに事業化
富士通、海外トップ大学にラボ AI・量子で世界と勝負
富士通は、世界トップクラスの大学との協業を通じて、生成AI(人工知能)や量子コンピューターの技術開発を加速させる。同社執行役員で最高技術責任者(CTO)を務めるVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏に、研究開発戦略を聞いた。 ナンバー1か2を狙う ――注目している技術を教えてください。 「AI」「コンバージングテクノロジー」「データ&セキュリティー」「コンピューティング」「ネッ