検証ラピダス、2nm半導体への道 始動1年目を識者採点
半導体企業Rapidus(ラピダス、東京・千代田)の本格始動から1年が経過しました。NIKKEI Tech Foresightでは、ラピダスの始動1年目や今後にフォーカスした特集を組みました。「これまで」と「これから」をそれぞれ7つの数字で解説したほか、半導体業界に詳しい3人の識者に「1年目の通信簿」を付けてもらいました。本特集をまとめ読みでお届けします。 ラピダス始動1年、技術者は足りるか 7つ
ラピダスは戦略修正を、買収も選択肢 大手と競合必至
半導体企業Rapidus(ラピダス、東京・千代田)の本格始動から1年が経過した。「2027年に2nm世代半導体の量産」という目標に向けたこの1年の歩みはどうだったのか。識者に評価してもらった。今回は、テクノ・システム・リサーチのシニアアナリストである大森鉄男氏の分析である。 評価の対象は「構想力」「影響力」「実行力」「修正力」「達成度」の5項目。それぞれの定義は以下の通りとした。 〈構想力〉適切な
ラピダス、最先端特化の危うさ 成熟市場で利益確保を
半導体企業Rapidus(ラピダス、東京・千代田)の本格始動から1年が経過した。「2027年に2nm世代半導体の量産」という目標に向けたこの1年の歩みはどうだったのか。識者に評価してもらった。今回は、Grossberg代表の大山聡氏の分析である。 評価の対象は「構想力」「影響力」「実行力」「修正力」「達成度」の5項目。それぞれの定義は以下の通りとした。 〈構想力〉適切なビジョンを掲げているか。1〜
ラピダス、EUV露光技術の習得急務 材料・装置を代償に
半導体企業Rapidus(ラピダス、東京・千代田)の本格始動から1年が経過した。「2027年に2nm世代半導体の量産」という目標に向けたこの1年の歩みはどうだったのか。識者に評価してもらった。今回は、インフォーマインテリジェンスのシニアコンサルティングディレクターである南川明氏の分析である。 評価の対象は「構想力」「影響力」「実行力」「修正力」「達成度」の5項目。それぞれの定義は以下の通りとした
ラピダス、2nm実現に5兆円で十分か 7つの数字で予測
半導体企業Rapidus(ラピダス、東京・千代田)は、2nm世代半導体の実現に向けて大型投資と技術開発を進める。短納期を特色として打ち出すが、競合するファウンドリーとの激しい競争や、半導体業界に特有の課題が待ち受ける。7つの数字でラピダスのこれからを予測する。 ①5兆円の大型投資は不十分か ラピダスが2nm世代の半導体を試作・量産するには5兆円規模の投資が必要になると見られている。EUV(極端紫
ラピダス始動1年、技術者は足りるか 7つの数字で解説
次世代半導体の製造を目指すRapidus(ラピダス、東京・千代田)の本格始動から1年が経過した。採用した半導体技術者を米国や欧州に派遣して最新技術を習得させるほか、2023年9月には北海道千歳市で工場建設を始めるなど足早に立ち上げの歩を進める。半導体産業の復興に向け、国もラピダスをはじめとする半導体産業の支援を強化する。 次世代半導体の実現には高い技術力と潤沢な資金力が求められる。険しい道のりが
大企業が宇宙参入、技術の応用模索 6Gやデータに商機
これまで宇宙産業とあまり関係のなかった大企業が、宇宙関連ビジネスに相次いで参入している。宇宙ロケットや人工衛星の利用が進み、新たな市場が開かれつつあるからだ。企業は独自の技術を生かし、新たな成長市場の開拓に乗り出す。 パナソニックホールディングスには、宇宙関連ビジネスの事業化に取り組む全社横断の有志組織「航空宇宙事業本部」がある。パナソニックグループ内に点在する宇宙関連の技術や取り組みに関する情
月面探査やロケット開発 新興が日本の宇宙産業リード
宇宙ビジネスに参入するスタートアップが増加している。宇宙ロケットの技術進化やコスト削減などで、宇宙産業進出のハードルが下がりつつあるからだ。日本のスタートアップも独自の技術力を生かし、月面探索など新たな事業を模索している。 月面探査や資源開発を目指すispace(アイスペース)は、技術力と実績で高い評価を受ける宇宙関連スタートアップだ。同社は2023年4月に民間初の月面着陸を目指したことから、世
JAXA、スタートアップ出資で宇宙産業強化 知財を還元
宇宙ビジネスの拡大が加速している。民間企業の宇宙事業参入が進み、宇宙ロケットや人工衛星を活用した新たなサービスが増えているからだ。国内では宇宙航空研究開発機構(JAXA)がスタートアップに直接出資するなど、宇宙産業の強化に向けて動き出した。 宇宙関連サービスを主導するのは、米SpaceX(スペースX)などの民間企業だ。米Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)の予測によると、民間企業
チップレットを安く 半導体「中工程」の重要技術3選
先端半導体の競争領域は、微細化だけではなく、チップレットなど複数チップの集積にも広がっている。チップレットで重要になるのは、複数のチップを簡単かつ高精度に組み合わせるための技術だ。チップレット製造に重要な役割を果たす「中工程」の注目技術3つを紹介する。 ①インターポーザーを不要に チップレットではチップ同士の接続が重要になる。東京工業大学を中心としたチップレット集積プラットフォーム・コンソーシア