富士フイルム、トンネル壁の撮影自動化 点検効率向上
富士フイルムは、トンネル壁面の写真を自動で撮影・合成し、ひび割れ箇所を検出して提示するサービス「トンネル点検 DXソリューション」を開発した。大量の写真を高速で合成するなどして点検業務の効率化に寄与する。2023年10月17日にサービスの提供開始を発表した。 トンネル点検 DXソリューションでは、カメラとカメラ用の照明などを組み合わせた機器「トンネル撮像システム」を顧客に貸与する。顧客がシステム
リニア新幹線トンネルに打音検査ロボ 省人化狙い試作
JR東海は、トンネルの打音検査を自動化する「トンネル検査ロボット」を開発した。従来の人手による検査に比べ、省人化を図れて検査精度のばらつきも抑えられる。リニア中央新幹線の山岳トンネルなどへの導入を目指す。在来線や新幹線への適用も検討する。2023年9月26日に試作機を公開した。 トンネル検査ロボットは、「接触式検査装置」を装着した6軸制御の「ロボットアーム」と「レーザー測量機」で構成する。音によ
配管を振動させコンクリートを長距離圧送 コスト減に
大成建設などはポンプ車からコンクリートを圧送する際に配管を振動させることで、コンクリートの流動性を維持したまま長距離圧送する工法を開発した。振動を加えると流動性の低下が抑制できるというコンクリートの性質を活用した。高層ビルや大型施設などの建設現場において、コンクリート圧送にかかるコストを削減できる。2023年9月22日に発表した。 大成建設などが開発したのは「コンクリート加振圧送工法(シン圧送工
サイホンの原理でダムに治水機能付加 大規模工事不要
建設技術研究所とダム技術センター(東京・台東)、豊国工業(広島県東広島市)の3社は共同で、大規模な工事なしでダムに治水機能を加える「吐口制御式サイホン放流設備」を開発した。既存のダムに設置して放流能力を高める。2023年9月11日に発表した。 ダムに治水機能を持たせるには、豪雨などで「洪水容量」に達した貯水池の水を放流する設備が必要になる。吐口制御式サイホン放流設備では、管の両端の水圧差で水を流
運用コスト低い下水管水位観測システム 導入しやすく
奥村組とコアシステムジャパン(東京都八王子市)は共同で、従来よりもランニングコストを抑えた下水管の水位モニタリングシステムを開発した。耐久性を高めた水位計を使い、消費電力を約50分の1に抑える通信方式を採用。設置しやすい治具も開発した。これまで水位計を設置していない箇所への導入を促す。2023年9月19日に発表した。 奥村組などの水位モニタリングシステムで肝となるのは、創価大学が開発した「ヘテロ
大林組、トンネルでの火薬装填を遠隔化 安全性向上
大林組と慶応義塾大学の野崎貴裕准教授らの研究グループは共同で、遠隔で触覚を再現する技術「リアルハプティクス」を応用し、山岳トンネル工事における火薬の装填作業を遠隔・自動化するシステムを開発した。作業員が遠隔に居ながら、実際に切り羽で作業するかのような感触で火薬装填器具を操作できる。2023年9月12日に実機によるデモンストレーションを公開した。 開発した自動火薬装填システムは、トンネル外のオペレ
クボタ、自動で書類作る管工事管理アプリ 残業時間減
クボタは、水道などの管工事用の現場管理アプリ「施工情報システムII」を開発した。現場でタブレットなどに情報を入力し、サーバー上で工事書類を自動作成して事務所のパソコンで共有できる。検査機器と連携すれば、出来形管理の効率化も図れる。導入した建設会社では、残業時間を1日当たり約1時間減らせたという。2023年度に販売を開始した。 施工情報システムIIは、クボタが21年に開発した「施工情報システムI」
建設技研、運用中にAIが自動学習し洪水予測 精度向上
建設技術研究所は、洪水予測システムを運用しながら、AI(人工知能)が運用中の河川の水位データで自動学習する機能を開発した。過去の観測データが少ない中小河川や上流域で、効率的に洪水予測モデルの精度を高められる。同社の水害情報提供システムの機能の1つとして実装できるようにした。2023年8月28日に発表した。 これまで洪水を予測するモデルは、過去の洪水が発生したときの観測データを十分に蓄積したうえで
東洋建設、洋上風力の基礎施工実験 コスト・面積削減
東洋建設は、TLP(緊張係留)方式の浮体式洋上風力発電施設における係留基礎の施工実験を北海道の石狩湾で実施した。同方式が実現すれば施設の維持管理コストや占有面積を従来方式よりも抑えられる。2023年8月22日に発表した。 同社は三井海洋開発や古河電気工業、JERAと共同でTLP方式の浮体の開発に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する洋上風力発電低コスト化事業の一環として取り組
飛島建設、コンクリ内の鉄筋腐食を非破壊測定 製品化
飛島建設と東京理科大学、海上・港湾・航空技術研究所港湾空港技術研究所は共同で、コンクリート内の鉄筋の腐食状態を非破壊で測定する装置「Dr.CORR(ドクター・コロ)」を開発、製品化した。完全非破壊による鉄筋腐食測定機で国内製品の販売は初だ。 開発したDr.CORRでは、鉄筋の腐食状態を電気化学的な測定法の1つ「交流インピーダンス法」で把握する。鉄筋腐食の指標となる分極抵抗を測るための電極の配置を