建築の「墨出し」に走行ロボット スマホで高精度操作
建築工事では、柱の中央線や壁の仕上げ面の位置などを、床に描く「墨出し」を実施する。鹿島はこの墨出し作業を全自動で行うロボット「ロボプリン」を開発した。指定した施工図の内容を、ロボットが床面に連続した線で原寸の図となるように描くのが特徴だ。同社はロボプリンを複数の建設現場に導入している。2023年9月26日に発表した。 墨出し作業は、各作業の開始前に完了している必要があるため、夜間や早朝に行われる
東北大、5G/6G電波を透過する遮熱窓 消費電力抑制
東北大学大学院工学研究科教授の金森義明氏らの研究グループは、可視波長と5G(第5世代移動通信システム)/6G(第6世代移動通信システム)通信帯の電波を透過しつつ、室内や車内の温度を上げる要因となる近赤外光は反射する遮熱窓を開発した。2023年10月16日に発表した。可視光、5G/6G通信帯の電波、近赤外光という3つの異なる電磁波の反射・透過の制御により、通信環境を維持しつつエアコンなどの消費電力
20年超のデータ学習したAIで構造設計支援 業務効率化
竹中工務店と将棋AI(人工知能)などを手掛けるHEROZは共同で、建物の構造設計をサポートする「構造設計AIシステム」を開発し、設計業務に導入する。竹中工務店が蓄積している設計データや構造部材の情報を学習させたAIを、構造設計ソフトの機能として実装し、設計業務にかける時間を短縮した。付加価値の高い設計プランの検討にかける時間を確保し、顧客により魅力的な建物を提案する。2023年9月19日に発表し
太陽光発電や蓄電で自給自足 脱炭素へオフグリッド建築
オフグリッド建築とは、送電網(グリッド)に頼らず電力を自給自足できる建築。広義には、電力に限らず、ガスや上下水道といった既存インフラから独立して資源を自給できる建築を指すこともある。エネルギー価格や資源価格の高騰を背景に、スタートアップ企業が参入し、開発競争が加速。住宅の他、宿泊施設などでの導入事例も出て来た。 その一例が、スタートアップ企業のARTH(アース、東京・中央)が開発したオフグリッド
構造材がセメントゼロのコンクリ建築物 国内初実現へ
三井住友建設は、自社開発した環境配慮型コンクリート「サスティンクリート」のポルトランドセメントを一切使用しないゼロセメントタイプを構造部材に適用する建築物(計画中)について、日本建築センターの特別工法評定を国内で初めて取得したと2023年9月11日に発表した。これによって、評定を取得した建築物に限り、セメントを使わないコンクリート構造での建築が国内で初めて実現可能になった。セメントを使わないので
竹中工務店、超高強度接合材を実用化 眺望確保に一役
竹中工務店は、設計基準強度が300N/mm²の超高強度グラウト材を開発し、同社が設計・施工を手掛ける2つの建築プロジェクトに適用した。設計基準強度が300N/mm²の超高強度グラウト材を実用化したのは世界初だという。2023年9月5日に発表した。 グラウト材はセメントを用いた材料で、コンクリートの柱や梁(はり)を接合するために部材同士の間に充填して使用する。強度と流動性の両立が求められる材料だ。
竹中工務店、ハンドジェスチャーで設備操作 壁不要に
竹中工務店は、照明や空調などの設備をハンドジェスチャーで制御するシステム「Contactless Smart Control(コンタクトレス・スマート・コントロール)」を開発した。スイッチを設置するための壁が要らないので、空間の自由度を高められる。非接触で設備を操作できるため、感染症対策としても有効だ。同社が2023年8月24日に発表した。 新システムの仕組みは以下の通りだ。あらかじめ、グーやパ
特許で5億円調達、窓拭きロボの実力 AIと制御に優位性
スタートアップの資金調達における知財の重要性が高まっている。その一例として、高層ビル向け窓拭きロボットを開発するイスラエルSkyline Robotics(スカイライン・ロボティクス)を取り上げたい。 同社は2023年8月、335万米ドル(約5億円)の資金調達ラウンドを完了したと発表した(累計調達額は1200万米ドル)。その際、重要な特許を日本とシンガポールで取得したことが資金調達ラウンドの成功
パナソニック系、住宅の地震被災度をAI判定 迅速支援
関東大震災の発生からちょうど100年の2023年9月1日、パナソニックホームズは地震被災リスク推定システム「P-HERES(ピー・ハーレス)」の運用を開始した。AI(人工知能)で、地震による建物の被害想定レベルを即座に判定する。対象となるのは、同社が建てた地上3階建て以下の戸建て・集合住宅、約44万棟だ。 P-HERESは、防災科学技術研究所が地震発生後に公開する地震観測網(K-NET、KiK-
長谷工、IoT・AI活用し睡眠に最適な住戸 効果検証
長谷工コーポレーション(以下、長谷工)は、NTT東日本グループとブレインスリープ(東京・千代田)と共同で、賃貸マンションの一室を実験住戸にして居住者の睡眠効果を検証する。IoT(モノのインターネット)機器やAI(人工知能)技術を活用して睡眠に最適な室内環境をつくり、部屋に設置したセンサーなどで取得するバイタルデータやアンケート調査で睡眠の質を評価する。2023年8月31日に発表した。 実験住戸を