【TNFD】水や生態系のリスク・機会開示 TCFDの自然版
脱炭素に関する各国・地域や民間団体の動きは速く、新たな概念やルールが次々と登場しています。「GX Keyword」はサステナビリティーの担当部署に限らず、幅広い部門で働く方の参考になる基礎的な用語を簡潔に整理して紹介します。原則として金曜日に掲載します。 「自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)」の略
再エネ31兆円、水素7兆円 CO2削減へ政府が投資額設定
政府は脱炭素目標の達成に向け、分野ごとに今後10年間の二酸化炭素(CO2)排出削減目標と必要な投資額の目安を設定した。浮体式洋上風力や次世代型太陽電池、水素といった発展途上の技術が削減の鍵となる。脱炭素に向け今後10年で官民合わせて150兆円を超える投資が必要になる見通し。政府の支援を呼び水に民間投資の活性化を目指す。 GX移行債の使途の目安に GX実行会議での議論を踏まえ、分野別の投資戦略を議
パリ協定クレジット、信頼性に高評価 GXリーグで活用も
パリ協定に基づいた国連の枠組みの下で新たなカーボンクレジットの仕組み作りが進んでいる。企業にとってはクレジットの創出と購入の両面で新たな機会が生まれる。2023年に環境省が設立した「パリ協定6条実施パートナーセンター」の小圷一久センター長はNIKKEI GXの取材で、パリ協定6条に沿ったクレジットは信頼性が高く、GXリーグの活用対象にもなりえると指摘した。 パリ協定6条 パリ協定は地球全体の温暖化
EU環境政策に新トップ 前進か停滞か、COP28が試す
オランダ出身のウォプケ・フークストラ氏が10月初め、欧州連合(EU)の気候政策責任者に就いた。高い目標を掲げて世界の環境政策をリードしてきた従来路線の継承を訴えるが、石油会社での勤務経験があり、オランダ財務相として航空会社を支援したことから、脱炭素に慎重ではないかという疑念が生まれている。まずは11月末から始まる第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)で成果を上げられるか、手腕が試
カーボンプライシング、日本に3つの課題 COPでも議論
温暖化ガスを削減する取り組みとしてカーボンプライシング(炭素価格付け)が世界で主流になりつつある。73の国と地域が導入済みだ。さらなる拡大に向け、欧州連合(EU)は第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)で議題の1つにする意向を示した。日本は出遅れが目立ち、時期や規模など3つの面で課題がある。 73カ国・地域が導入 「カーボンプライシング(の導入・強化)をCOP28で議論したい。脱
EU風力支援策はゲームチェンジャー 中国製へ反攻狙う
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は10月末、風力発電産業の支援策を公表した。風力発電は欧州の脱炭素戦略の中核と位置づけられるが、資材価格の上昇や中国製品との価格競争で苦戦している。欧州委員会は欧州投資銀行を通じて資金支援を強化し、中国製を念頭に補助金の調査を視野に入れる方針を打ち出した。支援策を「ゲームチェンジャー」と評価する声もあり、産業界から広く歓迎されている。 NIKKEI GXで
国際調達網のCO2、PACT基準で 富士通が実データで算定
国際的なサプライチェーンの二酸化炭素(CO2)排出量を正確に把握する枠組みが動き出した。国際団体「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」が主導するイニシアチブ「PACT」のルールに基づく初の算定を、富士通や野村総合研究所など8社がそれぞれ実施した。海外企業も参加して実際のCO2データを使ったのが特徴だ。スコープ3排出量を把握する精度の向上につながる。 世界の「リード企業」8社が実験
CCSのコスト、当面は水素発電より安く 審議会・近藤委員
二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留するCCSと、燃料などの脱炭素で活用が期待される水素。それぞれの事業化を後押しする法案を2024年の通常国会に提出すべく経済産業省で具体策の検討が始まった。当面の火力発電由来のCO2排出削減に向けては、水素を燃料に使うよりCCSの方が低コストですむという試算も示されており、CCSは産業の脱炭素を進めるゴールキーパー役との位置づけになりそうだ。 NIKKEI
コンテナ船、アンモニア燃料へ安全対策 伊藤忠やトタル
コンテナ船の燃料転換に向け、アンモニアの補給が課題として浮上している。コンテナ船は荷役中に燃料を補給する必要があるが、港の岸壁や桟橋でアンモニアが漏洩すると乗員や周辺住民の人体に影響をあたえかねない。伊藤忠商事は大手コンテナ船会社や港湾主管庁などと、安全性評価を進め、燃料補給の仕組みをつくる。新造船契約ではメタノール燃料船が先行するが、安全対策が整えばアンモニア船が巻き返す一助になりそうだ。 港
リサイクルは事業者負担 EU循環経済規制、繊維から読む
欧州連合(EU)が循環型経済に向けた規制を相次いで導入している。2008年に廃棄物に関する指令を出したのを皮切りに、直近ではリサイクルを前提とした設計を求める規制やアパレル事業者がリサイクル費用を負担する指令を提案した。日本国内の制度にも影響が出る見通し。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の内藤純マネージング・ディレクター&パートナーに規制導入で先行する繊維産業から見たEUの動向を聞