牛肉もカーボンニュートラル 消費者意識の変化どこまで
温暖化ガスの排出量を実質ゼロにした「カーボンニュートラル」製品が日本でも登場し始めた。伊藤ハム米久ホールディングス(HD)はオーストラリア産牛肉の取り扱いを本格化する。ただどこまで普及するかはなお見通しにくい。消費者意識や排出量の計算などに弱点を抱えているためで、手探りの状況が続く。 オーストラリア政府が認定 「海外ではカーボンニュートラルへの消費者の意識が高まり、企業の取り組みが加速している」
RE100企業に余剰太陽光 京セラが住宅・工場から集約
京セラは住宅や工場から太陽光由来の余剰電力を集め、企業に販売する事業を始めた。電気の由来が明確でトラッキング(追跡)しやすく、稼働年数の少ない「追加性」もある。事業に使う電力を全て再生可能エネルギーに切り替えることを目指す「RE100」企業を中心に販売し、2026年度に2億キロワット時の取り扱いを目指す。再生エネ調達に新たな選択肢が出てきた。 賃貸の屋根にパネル設置 電力は賃貸アパートや工場、戸
Microsoft、ゲームも低炭素 フォートナイトは風車14基分
ビデオゲームで遊ぶことで発生する二酸化炭素(CO2)を抑える取り組みが広がっている。米マイクロソフトがゲーム機「Xbox」やパソコン(PC)ゲームの開発者向けに、消費電力量やCO2排出量を簡単に把握できるツールを提供。人気の戦闘ゲーム「フォートナイト」はツールの活用により、全ユーザーの使用分で風車14基分の省エネができるようにした。 場面ごとにCO2可視化 消費者がゲームをする際に使う電力に由来
削減貢献量、IT・商社も開示 メルカリは取引の3割で算出
IT(情報技術)企業や総合商社などが、自社の製品やサービスの提供により社会全体の温暖化ガス排出量をどれぐらい削減できたかを示す「削減貢献量」を算出する動きが相次いでいる。フリマアプリのメルカリは日本の取引件数の3割分で計算した。削減貢献量を算出するのはメーカーが多かったが、温暖化ガス排出量「スコープ1〜3」では測れない貢献を示す手段として、算出企業の裾野が広がっている。 電子機器は製品寿命に着目
再生繊維のGHG、素材の回収時から算出 ワールド
アパレル大手のワールドは再生素材の温暖化ガス(GHG)排出量を算出した。素材の回収時を起点とし、紡績や染色、縫製など工程ごとの排出量を足し合わせ、再生ウールを使ったジャケットは従来品に比べて排出量が32.6%削減できることが分かった。今秋から環境に配慮した素材のブランドを立ち上げる。GHG削減率の「見える化」により、再生素材の活用を後押ししそうだ。 IDEAと1次データ活用 ワールドは環境省の支
ユニクロ「ヒートテック」に再生繊維 素材のCO2半減
ファーストリテイリング傘下のカジュアル衣料品店「ユニクロ」は機能性衣料「ヒートテック」に2023年の秋冬向け商品から初めてリサイクル素材を使う。ペットボトルをポリエステル繊維に再生したもので、繊維を作る工程までの二酸化炭素(CO2)排出量を石油由来に比べて半減できる。累計販売数が15億枚にのぼる主力商品で再生繊維を使い、脱炭素の取り組みを加速させる。 ペットボトル劣化の影響抑える 23年の秋冬向
東証クレジット市場まとめ読み 初日売買、実証実験の2倍
東京証券取引所は11日、環境価値を売買する「カーボン・クレジット市場」を開設した。初日の売買高は二酸化炭素(CO2)換算で3689トンとなり、2022年9月〜23年1月に実施した実証実験の1日平均(1752トン)から倍増した。太陽光や水力など「再生可能エネルギー(電力)」のJークレジットは3562トンの取引が成立し、全体の97%を占めた。 価格はセッション1(午前11時30分)とセッション2(午
個人の森林、眠れるクレジット源 全森連・農林中金が仲介
全国森林組合連合会は農林中央金庫と組み、2023年度中に森林由来のカーボンクレジットの販売を仲介するサービスを始める。傘下の森林組合によるクレジット創出を支援し、買い手の企業などをあっせんする。組合員が持つ森林面積は日本の国土の約3割に相当する。個人所有の森林でもクレジットを創出し、森林保全と二酸化炭素(CO2)の吸収量を増やす好循環をつくる。 クレジット販売の仲介サイト開設 カーボンクレジット
食品CFP、1品ごとに算出 RFIDで原料・物流のCO2把握
無線自動識別(RFID)で食品の流通プロセスを追跡し、調達から販売までの二酸化炭素(CO2)排出量「カーボンフットプリント(CFP)」を把握する取り組みが出てきた。ラベル製品大手の米エイブリィ・デニソンの日本法人はこのほど神奈川県内のミカン農園などと組み、ジュース1本ごとにCFPを算出する実証実験を実施した。実用化すれば流通経路が多岐にわたる食品のCFPを精緻に把握でき、削減努力も反映しやすくな
ヒートポンプ重点投資先、欧州8カ国に倍増 ダイキン
ダイキン工業はヒートポンプ暖房の拡販に向けて重点投資する対象を、欧州8カ国に倍増する。英国やドイツといった人口が多い国を重視してきたが、ポーランドやベルギーを追加する。脱炭素とエネルギー安全保障の観点から省エネ機器の導入を急ぐ欧州各国の動きを取り込む。 ポーランドやベルギーに新拠点 ヒートポンプは空気中の熱を活用して暖房や給湯に使う技術だ。空気の圧縮などに電力を使うが、欧州で一般的に使われている