水素への投資期待、いったんピークアウトへ(GX Unicorn)
日本経済新聞社は脱炭素分野の世界の有望企業約200社をリスト化した「GX Unicorn」に直近の資金調達を加えて更新した。11月はグリーン水素の製造技術を持つエストニアのElcogenなど5社が新たにリストに加わった。脱炭素関連のどのテーマに投資家は関心を持ち、どうなるとみているのか。スタートアップと大企業の連携を支援し、投資も手掛ける米プラグ・アンド・プレイのウェイド・ビタラフ氏が語る。(聞き
水素100%ガスタービン検証へ 三菱重工、30年実用目指す
三菱重工業は100%水素燃料の大型ガスタービンの検証作業に入る。水素の製造から貯蔵、発電までを一貫した設備で検証する。ガスタービンは燃焼器を交換すれば、燃料を天然ガスから水素に代えられる。利用企業は水素社会の進展を見定めながら柔軟に投資を進められる利点があるといい、2030年に実用化を目指す。 当面は天然ガスを燃料に 100%水素燃料のガスタービンは発電過程で二酸化炭素(CO2)を出さない。ただ
国際調達網のCO2、PACT基準で 富士通が実データで算定
国際的なサプライチェーンの二酸化炭素(CO2)排出量を正確に把握する枠組みが動き出した。国際団体「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」が主導するイニシアチブ「PACT」のルールに基づく初の算定を、富士通や野村総合研究所など8社がそれぞれ実施した。海外企業も参加して実際のCO2データを使ったのが特徴だ。スコープ3排出量を把握する精度の向上につながる。 世界の「リード企業」8社が実験
排ガス中のCO2から炭酸塩 東京ガスが工場向けサービス
東京ガスは都市ガス利用時に出る排ガスから二酸化炭素(CO2)を回収し、食品などに使われる炭酸塩を造るサービスを始めると発表した。食品工場などに装置を設置する。通常の製塩よりCO2排出を約2割抑えられるといい、商業施設などへの導入も視野に入れる。 装置はカナダのスタートアップ、クリーンO2が開発した。都市ガスを燃料にするボイラーからCO2や蒸気を取り出し、水酸化カリウムなどと反応させて炭酸塩を造る
ブルーカーボン、サンゴで炭素吸収 関大が培養新手法
関西大学の上田正人教授らは、サンゴを効率的に培養する方法を開発した。海水の塩分濃度を調整することで、人手をかけずにサンゴを構成する「ポリプ」を簡単に取り出して育てられる。サンゴは成長に二酸化炭素(CO2)由来の物質を使うため、海水中のCO2を吸収する「ブルーカーボン」に活用できるとの期待がある。 塩分濃度高めてポリプ分離 サンゴはクラゲやイソギンチャクなどと同じ刺胞動物の一種だ。ポリプと呼ばれる
【核融合発電】燃料は無尽蔵 「地上の太陽」実用化へ動く
脱炭素に関する各国・地域や民間団体の動きは速く、新たな概念やルールが次々と登場しています。「GX Keyword」はサステナビリティーの担当部署に限らず、幅広い部門で働く方の参考になる基礎的な用語を簡潔に整理して紹介します。原則として金曜日に掲載します。 超高温状態で起こる核融合反応から発生するエネルギーを使う発電手法。燃料とする水素の同位体は、海水から取り出せるとされる。太陽も内部の水素が核融合
CCUでメタノール生産 AGC・三菱ガス化学、ガラス工場で
AGCは三菱ガス化学と組み、2030年頃までにガラス製造時に発生する二酸化炭素(CO2)からメタノールを製造する検討を始めた。同じ工場内でカセイソーダなどを製造する際に発生する水素を活用する。当初は三菱ガス化学がメタノールを販売し、将来はAGCが製造するフッ素系の化学品の原料として使うことも検討する。CO2を回収し有効利用する「CCU」の事業化に向けた動きが相次いでいる。 燃料転換でもCO2ゼロ
水素でガラス瓶製造 東洋製缶GHD、飲料の脱炭素後押し
高温で溶解するため脱炭素化が難しいとされるガラス生産で、10年単位で燃料転換を目指す構想が動き出した。東洋製缶グループホールディングス(GHD)は水素の活用に向け、ガラス瓶の製造工程を2段階で見直す。ガラス産業を含む窯業・土石製品は国内の二酸化炭素(CO2)排出量の約2.5%を占める。燃料転換により、飲料メーカーのサプライチェーン全体の排出量「スコープ3」の削減にもつなげる。 窒素の加熱で余分に
【植物肉】畜産の環境負荷を減 大豆など原料に食感再現
脱炭素に関する各国・地域や民間団体の動きは速く、新たな概念やルールが次々と登場しています。「GX Keyword」はサステナビリティーの担当部署に限らず、幅広い部門で働く方の参考になる基礎的な用語を簡潔に整理して紹介します。原則として金曜日に掲載します。 大豆やエンドウ豆などを原料とし、見た目や食感を肉のように加工した食品。畜産業は水や飼料を大量に消費するうえ、牛がメタンガスを出し、環境負荷がかか
東芝、リチウムイオン電池の劣化診断 EV普及で1兆円市場
東芝子会社の東芝エネルギーシステムズ(ESS)は電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の劣化を診断するサービスを事業化する。中〜大規模の蓄電池システムとして再利用する考え。充電時の電圧から電池内部の部材がどのくらい劣化しているか推計する技術を持っており、このほど関西電力と実証実験を始めた。EVの普及に伴い、リチウムイオン電池のリサイクル市場は2028年に1兆円弱に拡大すると見込まれている。 正極