「荷物新幹線」で企業のスコープ3削減 JR東日本、採算が壁
JR東日本が生鮮品や電子部品などの小口荷物を新幹線の客室に積んで輸送する「荷物新幹線」の事業化に動いている。2024年度にもサービスを始める予定で、荷主企業がサプライチェーン(供給網)全体の二酸化炭素(CO2)排出量「スコープ3」を削減する動きに対応する。ただ荷役作業やダイヤ管理、採算性が本格展開への課題となる。 鉄道輸送で排出11分の1に JR東は車両を改造せず、客室の座席の足元などに荷物を積
CO2削減へ機体表面「サメ肌」 JAL、国内線で運航
日本航空(JAL)は機体の表面にサメ肌のような溝を施した航空機が国内線で実証運航を始めたと発表した。初便は羽田ー大分線で、順次他の路線でも導入した。表面加工により空気抵抗を低減できるといい、二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる。 同社が保有する米ボーイングの小型機「737」1基で、機体外板の塗膜に深さ約50マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの溝をつける「リブレット加工」を施した。
家庭の太陽光発電でJ‐クレジット創出 コスモ石油系
コスモエネルギーグループのコスモ石油マーケティング(東京・港)は福島県会津若松市で、家庭の太陽光発電を基にカーボンクレジットを創出するサービスを始めた。生み出すのは国が認証する「J‐クレジット」で、同市内の企業や団体に販売する。 新サービスの名称は「会津ゼロカーボン倶楽部」。会津若松市が取り組むスマートシティー事業の一環
パワーエックス、夜も再エネ供給 蓄電池でPPA
蓄電池事業を手掛けるパワーエックス(東京・港)は15日、蓄電池を使った法人向け電力小売事業を始めると発表した。PPA(電力購入契約)を結び、昼間に太陽光発電で生み出した電気をためて夜に顧客企業に供給する。企業が使う電気の再生可能エネルギー比率を高める需要に応える。 まずは東京電力エリアから始める。電気は1キロワット時あたり25円ほどで、契約期間は10年から。再生エネの発電事業者や卸電力市場から調
1月から全線再エネに 西武鉄道、非化石証書を活用
西武鉄道は2024年1月から全線の消費電力を再生可能エネルギーに切り替えると発表した。一般家庭5万7000世帯分に相当する年間約15万7000トンの二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロとする。電気使用量を抑えた中古車両を同業他社から買い取るなど、コストを抑えながら脱炭素化を進める。 池袋線や新宿線など全12路線を対象とし、駅や信号機、踏切の消費電力も再生エネ由来に切り替える。東京電力ホールディン
実燃費からカーシェアCO2 パーク24、スコープ3精度向上
パーク24はカーシェア「タイムズカー」の利用企業が走行時に二酸化炭素(CO2)をどのくらい排出したか算出するサービスを始めた。6万台の運用実績から燃費を割り出し、移動距離と掛け合わせて算出する。カーシェアの利用企業は社有車に比べてCO2排出量の把握が難しいことが課題だったが、新サービスによりサプライチェーン(供給網)全体での排出量「スコープ3」の算出精度が向上する。 利用ごとの燃料使用量、把握難
環境価値売買、エネチェインの取引所を紹介 あおぞら銀
あおぞら銀行は脱炭素の融資の枠組みである「あおぞらESG支援フレームワーク」を拡張した。サステナブルファイナンスの顧客企業などに、電力先渡し市場最大手のenechain(エネチェイン、東京・港)が運営する環境価値取引所を紹介する。サプライチェーン(供給網)の脱炭素を助言するサービスでは兼松と協力する。 同行などの発表によると、あおぞら銀行は環境価値を売買したい顧客にエネチェインの取引所を紹介する
社食でCFP、社員に脱炭素の意識付け 三井物産系
三井物産子会社で社食・給食大手のエームサービスは社員食堂で食材の生産や調理の温暖化ガス(GHG)排出量「カーボンフットプリント(CFP)」の表示を2024年秋から始める。約1000分類の食材や調理法に独自の排出係数を設定し、食材使用量や調理時間と掛け合わせる。社食を切っ掛けに、食事のCFPを表示して行動変容を促す取り組みが広がる可能性がある。 約1000分類の食材に排出係数 エームサービスはオフ
【CO2輸送船】CCSで需要、液化の圧力・温度管理カギ
脱炭素に関する各国・地域や民間団体の動きは速く、新たな概念やルールが次々と登場しています。「GX Keyword」はサステナビリティーの担当部署に限らず、幅広い部門で働く方の参考になる基礎的な用語を簡潔に整理して紹介します。 発電所や工場などで排出される二酸化炭素(CO2)を液化して輸送する船舶。CO2を分離・回収して貯留するCCS事業で利用が期待される。日本には貯留に適した地層が少ないとされ、貯
独DHL、米社からSAF証書 7億リットル相当
ドイツの国際物流大手DHLエクスプレスは米ワールド・エナジーから、持続可能な再生燃料(SAF)を自社の航空便で使ったとみなす「持続可能な航空燃料証書(SAFc)」を調達したと発表した。SAF約7億リットル分に相当し、貨物の荷主に割り当てる。企業の供給網全体の温暖化ガス排出量「スコープ3」の削減につなげる。 契約期間は7年間で、総額や使用時期は非公開としている。二酸化炭素(CO2)の削減量は約