BYD、フルライン実現間近 「海獅07」に託す市場総取り
中国・比亜迪(BYD)がすべての価格帯や車種を網羅する「フルラインアップ」の実現に近づいている。17日に披露した新型電気自動車(EV)「海獅07(Sea Lion=アシカ)」をこれまでの多目的スポーツ車(SUV)の隙間の価格帯に投入、網の目は細かくなる。さらに、その商品名からは、その網を広げ幅広い消費者をつかもうとする貪欲な同社の戦略が浮かび上がる。 「BYDは中国の新エネルギー車の急速で高品質
「もっと強く当たれ」 三菱自、板挟みのサプライヤー補償
「サプライヤーの債権申し出について」。5月中旬、ある部品会社の中国子会社担当者のもとにこう題したメールが届いた。差出人は三菱自動車の中国合弁会社「広汽三菱汽車」。三菱自は中国での販売不振を受け、3月から中国での新車生産を休止していた。 「このまま中国から撤退するのでは」。三菱自サプライヤーの間でこんな噂が広がっていたさなかの出来事だった。 書面によると、部品在庫や金型費用などを補償するという。し
「中国は抜けた者勝ち」 三菱自、20万台合弁を20円で売却
三菱自動車が中国事業からの撤退を決めた。世界最大市場の電気自動車(EV)シフトの激流は対応が遅れた中堅メーカーを容赦なくのみ込んだ。加藤隆雄社長兼最高経営責任者(CEO)が意を固めてから、10月の発表までの約400日の舞台裏を追った。 10月24日、三菱自が合弁を組む広州汽車集団が出した公告。「三菱自及び三菱商事が保有する広汽三菱の株式の30%及び20%をそれぞれ1元(約20円)の対価で譲り受け
ファーウェイ協業NEV快走 中国・苦戦組の駆け込み寺に
華為技術(ファーウェイ)が中堅自動車メーカー、賽力斯集団(セレス・グループ)と共同運営する「AITO(問界、アイト)」の多目的スポーツ車(SUV)「M7」が受注台数を伸ばしている。発売から50日間の受注が8万台に達し、中国の新車市場の台風の目となった。値下げ競争で破綻する新エネルギー車(NEV)メーカーも相次ぐなか、特徴を打ち出しにくい中堅・新興にとってファーウェイは駆け込み寺になる可能性もある
ステランティス、中国EVリープモーターに2400億円出資
【上海=若杉朋子】欧州ステランティスは26日、中国新興電気自動車(EV)の浙江零跑科技(リープモーター・テクノロジー)に15億ユーロ(2400億円)を出資し、約20%の株式を取得すると発表した。両社で合弁会社を設け、欧州などでリープモーターのEVを生産・販売する。世界的にEVが普及するなか、中国企業との協業で車種を拡充する。 ステランティスが51%、リープモーターが49%出資し、新会社「リープモ
中国・部品トップ10、CATLなどEV電池4社 LFPで圧倒
NIKKEI Mobilityは世界の自動車部品メーカーの成長力や収益力を分析する「サプライヤーRanking(ランキング)」を始めます。第1弾は中国企業編です。㊤総合力、㊥成長力、㊦収益力の順に連載します。今後、日本企業編や欧州企業編なども公開する予定です。 NIKKEI Mobilityの「サプライヤーRanking」の中国企業編で、寧徳時代新能源科技(CATL)が総合力首位に立った。上位10
中国NEV市場、外資シェア2割で足踏み BYD34%で独走
中国の新車市場で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など「新エネルギー車(NEV)」の普及を追い風に自国ブランドが台頭している。2023年1〜6月の中国でのNEV販売台数(乗用車と小型商用車)は、中国勢のシェアが78.5%だった。外資が約2割で足踏みする中で比亜迪(BYD)が約34%で独走している。 英調査会社グローバルデータがまとめた1〜6月のNEV販売台数をメーカーの国籍別